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【マンガ業界Newsまとめ】ウェブトゥーン各社、映像化、業務提携、収益還元、受託専業など展開加速中 等|11/27-079

菊池健

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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縦読み漫画『夫を社会的に抹殺する5つの方法』主演・馬場ふみか、夫役・野村周平を迎えGIGATOON Studio作品初の実写ドラマ化決定!

今年2022年3月に設立されたDMMグループのGIGATOONStudioですが、設立9か月目にして、早くも映像化を発表しています。本作はこのまとめを書いている11/27現在で12話までの公開ということで、非常に早い段階で映像化です。

Webtoonとしての作品制作も会社設立から短期間で行われていますが、映像化へのアプローチも早いですね。作品として単行本数巻貯めてから映像化する従来のマンガのアプローチに比べ、Webtoonベースの場合はIPとして総合的に作品を見て、同時に展開していくようなイメージでしょうか。


株式会社ソラジマ、クリエイターへの印税が累計3000万円に到達!制作費を含めると2億円以上の還元を達成

こちらは、SORAJIMA社の累計支払い印税が3000万円、原稿料を含めると2億円に達したとのこと。分業型のWebtoonのことですから、これが複数の関係者に支払われていることは間違いないですが、こうして数字としてあらわされると、作品制作にかかわるクリエイターとしては、目に見える数字があり仕事のイメージがつくのではないでしょうか。


電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」月間150万人ものユーザーがノベルコンテンツを閲覧 SMARTOON®︎化・映像化の動きも増え、業界のノベルIP関心増

近年、マンガに続きノベル作品も強化を謡っていたピッコマですが、ノベルの月間利用者が150万人到達と言うことでリリースしています。合わせて、「ピッコマノベルズ大賞」も開催しています。

韓国カカオでは、ノベルで人気の作品を原作としてWebtoon化することで手堅くヒットを重ねており、北米では小説プラットフォームを買収することで、原作調達とユーザー獲得を両得する戦略をとっています。

一方、日本においては、韓国ヒット作品の日本ローカライズ版が支持を受けるという状況で、このノベル強化によって日本で支持を得たノベル原作を日本でWebtoon化する方向へ進んでいくことが狙いと推測されます。

また、リリースの中では2022年11月で累計ダウンロード数が3600万とあります。累計ですので、ピッコマ単体ではなくピッコマTVなども入ってる可能性はありますが、やはり強いですね。


WEBTOON制作サービスの提供を開始【CAT-CreativeGroup 株式会社 】

新しいWebtoon制作スタジオの設立ということで、CAT-CreativeGroup株式会社が、Webtoon制作の受託専門ということでリリースを出しています。

同社は今年2022年5月設立の会社で、ピッコマにて『お兄様を誘惑するつもりだったのに!』『デイジー』の2作品を週刊連載中のとことですが、ともに100話前後の作品のため、途中から参画したのかもですね。


『ワールズエンドクラブ』『Death Come True』のイザナギゲームズが『ドラゴン桜』の三田紀房氏らが所属するクリエイターエージェンシー・コルクと資本業務提携

かねてからWebtoon参画を発表していたイザナギゲームズ社が、コルク社の出資を受け、資本業務提携を結びました。イザナギゲームズ側は「ツクヨミ」コルク社は「コルクスタジオ」のブランドでWebtoonを制作しており、両ブランドの提携という見方にもなるかと思います。


日本のwebtoon業界の現状(2022年冬現在)

Minto社取締役の中川元太氏が、2022年冬現在と銘打ち、Webtoon業界の現状を総括しています。興味深いセンテンスが多く、いくつか取り上げさせていただきます。

韓国や中国をはじめ海外のwebtoon企業が、急成長する日本を市場として注視しているのは勿論ですが、制作パートナーとして日本のスタジオに声をかけるケースも増えています。また日本産の作品の輸入をしたいという打診も増えています。

同noteより https://note.com/quan_official/n/n0fb5b3872075

この辺りは、現在日本国外でユーザー基盤を持ちつつある韓国を中心とした各社が、日本国外での作品展開に、日本のWebtoon制作スタジオの作品を調達に動いているところが見えてきますね。

ピッコマやLINEマンガでも、半年から1年前まではヒット作はほぼ韓国産一色(あっても中国産)だったところから、国産webtoonがちらほら上位に入ってくるようになってきました。ドラマ化された「サレタガワのブルー」ほか、「路上伝説」「大切な日はいつも雨」「底辺魔術士」「三食昼寝付き生活を約束してください」「公爵様、魔王と竜王に育てられた少年は学園生活を無双するようです」、「チュートリアルが死ぬほど難しい」などなど(名前が長い作品が多いです。。)。

同noteより

最近は、読むマンガの半分くらいはWebtoonになるように見回っているつもりでしたが、知らない作品がまだまだありました。国産Webtoonヒット作品は、なかなか見えにくいですね。Tugikuru Corp.社や、異世界転生もののヒットメーカー、オーバーラップ社など、私がWebtoonカオスマップで取りこぼしている企業もいくつかありました。勉強になります。

また、当のMinto社の作品としては『モブなのに過保護な公爵に溺愛されています』が好調と紹介されています。

この作品が掲載されているbooklistaSTUDIOwebでは、トップバナーに同作品のGIFバナーが載っており、髪の毛やまばたきがアニメになっているのですが、これが綺麗なので「うちもやりたい」と、一部界隈では非常に好評だったりします。現状のアプリだと、こうした単品作品のちょっとしたプロモがなかなか難しいのですよね。

ちなみに、このbooklistaSTUDIOwebは、コミチ社の「コミチ+」というWeb雑誌を安価に素早く開始できるサービスを利用しています。ご興味ある方はこちらまでお問合せ下さい。出版社・Webtoonスタジオ両面にとって、自社作品を自力でプロモーションできる強力なツールとなっており、来春には複数の大手出版社にも導入予定という、これから伸びていくツールです。


集英社が「作品力」を知るためのデータ分析基盤を Azure で構築! 現場リードでの更なるデータ活用を目指す

出版社としては、日本で一番デジタルコミックを販売しているであろう集英社がそのデータをしっかりみていこうとしている取組と言うことで、マイクロソフト社のサイトに事例紹介されていました。

Azureとは、サーバー利用を中心とした様々なツールを活用できるマイクロソフトのクラウドサービスです。この分野ではamazonのAWSが圧倒的にシェアを持っています。

私も最近教えてもらったことなのですが、一ツ橋グループ(主に小学館、集英社、白泉社など)は、基本的には統一したシステムを利用しているそうで、例えばチャットツールはどこもTeamsを基本として利用しています。集英社がamazonではなくマイクロソフトを使ってるのは、その辺りに理由があるのかなと思いました。

ちなみに、こうしたマンガ出版社のデジタルデータ活用については、以下のIMARTのセッション(IMARTの詳細はこちら)がおすすめです。マンガ出版社のデジタル活用最先端となっております。


国内News

毎度おなじみ、不破雷蔵さんによる日本雑誌協会の印刷証明付き部数四半期レポート、2022年7~9月版です。

週刊少年ジャンプは、前四半期とほぼ変わらず130万部弱、ジャンプ+の利用者は増加中ということで、こちらの定期購読サービスが70万に到達すれば、実質200万部状態も見えてくるかもしれません。個人的には、ジャンププラスの定期購読数が、この紙の部数を超えることがあるかどうかにも注目しています。

青年誌は、ビッグコミックオリジナルとヤングジャンプの30万部前後がトップで、ヤングマガジンが20万部で続く感じで大きく変わらない感じですね。
ヤンジャン、ヤンマガはともにアプリやWebに力を入れていますが、ビッグコミックは主体となるデジタルサービスが無い中で、依然紙の部数を維持するところが堅調です。しかし、これどこで売れてるのでしょうね。コンビニか、変わらずキオスクなのでしょうか。


スクエニのマンガUP、2000万ダウンロードとのこと。


viviON社の漫画賞の大賞が決まったとのことですが、そこでのプロモーションが奮っていました。

・大賞作品「ハッピーウェディング前マンガ」(著:ロク)に、コラボアーティストのヤバいTシャツ屋さんがCVをつけて音声付の電子コミック化
・作品の配信にあわせ、TVCM放映
・11月25日(金)よりマンガアプリ『comipo』にて期間限定で無料配信

ということで、CM動画を見ると確かに受賞動画を前面に出して紹介していますね。聴いて楽しむマンガアプリ『comipo』ということですが、ホントに色々とユニークですね。


最近のカード決済問題もそうですが、このあたりも当局の当たりがきついかな~という印象はあります。受ける側もあまり露悪的に反応しないほうが良いかなと言う気もしますが、でも気持ちも少しわかりますね。


2つともに、アニメジャーナリスト数土直志さんの記事なのですが、マンガに近接するアニメの動きとして、なるほどなと思うことが多かったです。

特に、

・2010年代は10年間で宮崎駿5本新海2本の計7本が100億超。
・2022年は1年間で、FilmRedはじめ4本が100億超。

https://anime.eiga.com/news/column/sudo_business/117374/

というあたり、マンガの売れ方も大きく変化しましたが、アニメや映画も配信の台頭などある中で大きく変わっていっていると思いますね。


海外News

韓国版ディズニーという声掛けは、近年韓国のスタジオやプロデュース会社の狙いとして良く聞こえてくるワードになっていますが、そこにはBTSなどのリアルなアーティストも絡めてくるものとして考えられているのですね。

なんとなく、DC・マーベルのような、キャラを創作していく形を想像してしまいますが、リアルなアーティストが関わるとなると、必ずしもディズニー踏襲と言うことに限らず、割と立体的な構想になっていくのかなと思いました。


韓国の総合エンターテインメントグループIHQとウェブ漫画&ムービングウェブ漫画専門制作会社のDream Pictures21が業務協約(MOU)締結のニュースです。こちらも、Webtoon、小説まわりを作ってきた企業と、映像などに強い企業の連携とのことで、日本同様進んでいっていますね。


AIイラスト・画像生成関連

アメリカ著作権局は、機械だけで生成された著作物に対する著作権保護を認めていません。

https://gigazine.net/news/20221121-generative-ai-copyright/

というところから始まり、主にアメリカでの基準をもとに書いていますが、良く日米の著作権の考え方の違いとして出てくる「フェアユース」の概念がある分、やはりちょっと北米のほうがこの分野でも先に進んでいきそうな印象を受けました。


二ューヨーク近代美術館(MoMA)が、最新展示作品としてAI生成画像を発表とのことですが、MoMAが所有する38万点の画像を元データとする巨大インスタレーションとか。発想が凄いですね。


AI上でもアダルト表現に規制をかける動きと、表現に力を入れる動きと、相反した動きがそれぞれあるようです。

そのうち「AIしか勝たん」とか「AIは俺の嫁」みたいなことになっていくのでしょうか。


先週は、メジャーなAI画像生成アプリ「Midjourney」上でのアニメイラスト展開のニュースを紹介しましたが、今回は専用アプリみたいですね。その名も「Waifu Diffusion
Waifuは「俺の嫁」の英語圏ネットスラングだとかとか。やっぱり、洋の東西問わず日本アニメ文脈は需要ある感じですね。みんな、AI画像を見て「これじゃない」ってずっと思ってたんだろうなと。


メジャーAI画像生成アプリ、Stable Diffusionが、2.0にメジャーアップデートしたということでレポートです。指が変だとか一部変わらないところもありますが、なんとなく画像の高精細化は進んでいますね。


タイトルは煽ってますが、例の「コンテストでAI画像が優勝した」の細かい経緯が書かれています。あれは、そのまま出したわけでなくて、微調整していたのですね。なるほど。


記事のみ紹介


告知関連

マンガクリエーターのNEXT STEPをつくる祭典「LEGIKA UP 2022」開催!

トキワ荘プロジェクトを運用するLEGIKAが、優れた実績をあげた漫画家に表彰するイベントのクラファンを実施中です!


第16回 JEPA電子出版アワード2022 投票を開始!

一般社団法人 日本電子出版協会日本の電子出版の普及促進を目的とした「電子出版アワード」の一般投票 を、本日(11月24日)スタートしました。投票は12月5日(月)23:00に締め切り。

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現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

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