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【日産・採用責任者は語る vol.4】日本の学生と海外の学生は何が違うのか。

次回に引き続き、日産自動車で新卒採用責任者を務め、現在は取締役や役員を指名する委員会を務める東郷さんを質問攻めにしたノンフィクションドキュメンタリーです(笑)。

今回のテーマは、
「日本の学生と海外の学生の違い」

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↑夜19時の学食 in 中国トップの清華大学。毎日22時くらいまで授業があるので学内には食堂が多数で、ちなみにめちゃ安くて美味しかった。 by東郷

【 日本の学生は、 "兵隊さん" 】

周:突然ですが、東郷さんから見て日本の就活生や学生ってどう見えていますか。良いところと悪いところをそれぞれ教えてほしいです。

東郷:日本の学生さんの良いところは、全体としてみたときに相対的にレベルが高いこと。何でもそつなくこなしてくれる印象がある。ただ、逆にいうとそれまでで、なんというかみんな似ている、、”兵隊”って感じ。

日本の学生さんの惜しいところは、まず 日本という狭い世間の中で生きていることに、特に何も思っていないこと。そもそも日本が平和だし、大学はほとんどが日本人だし、大学に通わなくても単位が取れてしまう。他の国の学生からすると、ぬるま湯の中にいるなぁ思われているよ。

だからなのか、他の国や世の中で起きていることがあまり見えていない日本ではテクノロジーをはじめ様々な分野であらゆることが遅れているんだけど、それに気づいていない。日本や身の回りで起こっている物事しか考えていない。

周:良いところと悪いところ、それぞれありがとうございます。兵隊の一部って言葉強烈ですね、、笑 分かりやすかったです。

【 貪欲さと志の高さが全然違う 】

周:日本の学生って海外の学生と比べると、ぶっちゃけ正直レベル低いと思う事もありますか?

東郷:レベルの話以前に、育ってきた環境が全く違うからね。例えば、アメリカでは、様々なことを議論しながら自分の意見と相手の意見をぶつけ合うって経験を幼少期のころからずっと積んできた。

アメリカは、国の歴史的に多民族国家であり、自分と違う背景や価値観を持った人と出会うことが多いから、自分の主張をちゃんとする人が多いし、アメリカの教育制度もそれに寄与している。世の中の動きに対して自分なりのアンテナを立てて、情報を取りに行ってる。

韓国では、一流企業に入らないと生きていけないっていう思いがあるから、皆危機感を持って必死に勉強して、必死に自分を磨いてる。韓国のトップ企業の倍率が高すぎるから、韓国の学生が日産をはじめとする日本企業を見てくれることがたまにあるんだけど、本当に優秀だと思う。

あと中国では、北京大学とか一流大学の学生を見てきたんだけど勉強量が全く違うよね。朝の5時から夜の12時まで勉強しているよ。文系であっても物理をゴリゴリ勉強してる人もいれば、理系でも歴史や哲学に精通してる人も多い。ハッキリ言って、貪欲さと志の高さが全然違う。

中国政府が大学にとてつもない額のお金をかけていることも背景にあるんだけど、本気で学生を育てていこうとする気概を感じる。

私個人としては、日本政府ももっと真剣に教育に向き合わなければならないと思っているよ。このままじゃまずい。

変えていかないといけない部分は色々あるけど、
一つには、日本の会社がもっと大学教育に積極的に参加するべき点。

世の中は、これだけ急速に変化してるんだ!
という事を伝えていく事がある種の社会人、民間企業の責任だと思う。

【 絶望してニヒリズムに陥るべきか? 〜編集後記〜 】


ちょっとセンシティブな内容を書きましたが、
東郷さんも、著者も、危機感を煽る事を目的としてる訳ではありません。

私たちを取り巻く世界の現状を認知して欲しいのです。

中国の貧しい田舎で生まれて、勉強する手段さえなかった子供も、
ネットの普及によって、情報獲得コストは限りなくゼロに近づいてます。
彼らは今、文字通り死ぬ物狂いで勉強しています。

インドは、伝統的な身分制度がありましたが、
時代と相まって、天才エンジニアが最も多く集まる国になってます。

私たちは、日本という素晴らしい国で生まれ、育ち、
そして今、将来のキャリアを考える、人生の分岐点にいます。

日本語という競争障壁にのみ私たちは守られてますが、
これからは、上記のような学生と同じ土俵で戦わなければなりません。
( 下記でホリエモンが言ってる通り )


著者は、半年だけミュンヘンに留学させて頂いたのですが、
海外に身を置いて生活して、改めて日本人の良さも再発見しました。

「場、間、空気感を読めること」
「常に謙虚で、自分をひけらかさない事」
「仕事が丁寧で細かく、自分のこだわりのある事」

など、色々あるように思います。

これらが、どれくらい歴史的な文脈から来る国民性に依存するのか、
それとも、個人の今までも人生に依存するのかは分かりませんが、
世界中の優秀で面白い方を一緒に働けるくらいの専門性なり、
自分の土俵はなんなのか?を考える事が出来れば、
納得のいく就活を送る事が出来るように思います。

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東郷さんへのインタビュー記事第四弾は、ここで終了です。
次回が、いよいよ最終回です!お楽しみに!


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日産自動車・新卒採用ページ
https://www.nissanmotor.jobs/japan/NE/

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今後も、東郷さんの対談記事、就活体験談を発信して参ります。
もし宜しければフォロー頂けると幸いです。
https://twitter.com/carrier_shu20

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