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都内公園巡り 目黒区駒場公園 その1

娘の資格試験で駒場東大前へ。

待ち時間どうしよう。

通常ならカフェで読書がお決まりなのだが、駒場公園内にあるという目当ての文壇カフェは日曜定休日。

他のカフェは朝早過ぎてまだ空いていない。

まあ、いいや。お休みでも、場所の確認だけしておこう、と、駒場公園に向かう。

これが、大正解だった!

井の頭線は学生時代は毎日、社会人になってもしばしば乗っていたのだが、駒場公園に行ったのは初めてだった。

途中、早くも並んでいるパン屋さん。

(後で買ったら物凄く美味しかった!)

そして驚くくらいの高級住宅が並ぶ。

そんな住宅群を眺めるだけでもうすでに非日常。

そして、駒場公園。

9時過ぎだったからか、公園の清掃をしている人に、庭の手入れをしている人がひとりずつ。

他には人がひとりもいない。

ただただ、鳥の声と草木が風に揺れる音、そしてたまにどんぐりがパラパラと落ちてくる。

足元をみるとどんぐりだらけだ。

知らなかったのですが、ここは、もと、旧前田利為侯爵(加賀百万石の前田家16代当主)邸の跡地

そして知らずに入ったからこそ、衝撃をもってその素晴らしさを満喫出来たのではないかと思う。

東口から入るとまずは左手に純日本風の和館。

「何この素敵な建物…!」

引き寄せられるように建物に入る。

入館料いるんだろうなあと思ってみると、まさかの無料!

当然のことながらお邪魔しましたが、、想像以上。

以前訪れた金沢兼六園の中にある成巽閣での感動を思い出しました。(ここも前田家の奥方御殿)

しかも縁側に座って中庭を眺めている先客がいて、それも含めてなんて優雅な風景。

「これはすごいところに来てしまったのかもしれない」と後ろ髪をひかれながら和館を出て公園内を進むと右手に近代文学博物館。ここの中のカフェがそもそものお目当てだったのだが、日曜休館の為、外観を眺めるにとどめる。(ちなみにここは昔、馬の厩舎があったらしい。)

そして、また公園の奥へと進むと、左手になにやら洋館がみえてくる。

ふむふむ、昭和4年に建てられた洋館かあ。

期待せずにぐるりと正面に回り込むと、ここも、見学が出来るようだ。

さすがに入館料いるかなあと思いながらも入っていくと、なんとここも入館料無料!しかも…このアーチのある玄関!玄関を入ると上品なスタッフの方が迎えいれてくれて、そしてその先には赤い絨毯が敷き詰められ、奥にはステンドグラスや螺旋階段が見える。

もう、この時点で私はノックアウト。

娘の試験の終了時間を気にしながらも、お邪魔してしまいました、昭和4年に建てられたという前田侯爵邸、本館の洋館へ。

1階が主に海外からの迎賓の場として使われ、2階が生活を生活の場だったというその館には豪奢なシャンデリアや調度品。そして、この時代から(公開はされていなかったが)地下の料理場から食事を運ぶエレベーターがあったという。

特に夫人の部屋は、女性なら憧れない人はいないのではないだろうかという可憐で豪華な内装。

また、ここでも私とアラブ人とみられるご一家くらいしか見学をしている人がいなかった為、館内はとても静かで鳥の鳴き声だけがただただ聞えてくる。

そして、館内からガラス窓(このガラスも当時のガラスなのだろうか)をとおしてみる広がる秋の空が、紅葉を始めた木々が、カーテンをとおして入ってくる朝の光が、床に伸ばす窓枠の影が、当時ここに生活していた人たちもまた見ていたのかと思うと感慨深い。

また、前田家の歴史を紹介する動画が流されていたりするのもとても興味深かった。

そんな風に当時の風景に思いをはせて浸っていると、娘からの「試験終わったよ」連絡。急激に現実に引き戻される。

走って試験会場に迎えに行ったのだが、あまりにも名残り惜しく、その日娘を連れてまたここへ舞い戻る。(その2へ)


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