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リヨンの現状③~2度目のロックダウン~

リヨンの現状②では現状のリヨンの状況をお伝えしましたが今回は2020年11月24日時点の情報でフランスの規制緩和に向けての見通しと現状の感染状況についてお伝えします。

規制緩和に向けて

本日(11/24)、マクロン大統領が今後の見通しについてアナウンスを出しました。それによると感染者の増加数がある程度は抑えられてきており第二波のピークは過ぎたため今週末から段階的に規制の緩和を進めるというものでした。
そのため規制緩和に向けての3ステップが示されました。今後の感染状況により状況は見直される可能性もありますがフランスはとりあえず規制緩和に向けて動き出します。

本日発表された今後の規制緩和に向けての動きは下記。

【(第一弾)11月28日から緩和するもの】
・小売店の再開(クリスマス商戦に向けて。ただし夜9時まで)
・個人の軽い運動の規制緩和(自宅から20km以内、1日3時間以内に緩和)
・室内での礼拝(ただし30名以内)

【(第二弾)12月15日から緩和するもの】
*感染者の増加=5千人/日 & 重篤患者=2千5百~3千人の場合*
・Confinement(監禁)➡Curfew(夜間外出禁止)に緩和
  -外出禁止は9PM~7AM
  -ただし、クリスマスイブと大晦日のみ夜間も外出可
・映画館、劇場、ミュージアムも再開

【(第三弾)1月20日から緩和するもの】
*感染者の増加=5千人を下回る場合*
・レストランの再開(バーやクラブは未定)
・大学での対面授業やジムの再開
(夜間外出禁止はこの時点でも継続される見込み)

外出禁止が解除されても当面は夜間外出禁止は続くことになりましたがクリスマスと大晦日のみ規制を解除するのが何ともフランスらしい感じがしています。ここでストレス発散させないと政府批判のデモなどになる可能性があるためなのでしょう。

ワクチンについてもついに言及されており第一回は12月末~1月頭頃からワクチン接種を開始するとのことです。その後、次の接種タイミングは来春頃になるとのこと。まだ被験者数が限定的なためもう少し様子見かなという感じですがとりあえずワクチン接種の動きが始まったのはうれしい限りです。

またスキーリゾートの再開に関しても言及がありました。ただし、現時点では今年中の継続してクローズし、早くても年明けから再開ということでした。ただし、スキーリゾートに関しては他のEU諸国との連携も必要になるためまだ協議が必要なようです。

一方で店舗クローズをサポートする補償に関しても言及されています。元々1万ユーロのサポートがオファーされていましたが今週末に再開できない店舗についてはこの1万ドルの代わりに年間売上の20%を保証するということのようです。

現状のコロナ感染者数と死者数の状況

上述の通りフランスは規制緩和に向けて動き出しました。ここでは規制緩和に向けて動き出すベースとなった現状の数字に関してまとめておきたいと思います。

下記に示した表がフランス政府公表のコロナの感染者数、回復者数、死者数の累積グラフになります。下記の表の通り現在の累計感染者数は215万人程度、死者数はわかりにくいのですが5万人程度です。ただし、直近で感染者数の増加数は抑えられてきているのが分かると思います。

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もう少しわかりやすくすると下記の表になります。下記は1日当たりの感染者数と死者数(病院のみ)の増加数を示したグラフになります。下記の表に通り1日当たりの感染者数は11月7日に8万7千人弱をピークに低下してきており11月24日時点で増加は9千人強に抑えられています。
一方で死者数はまだ大きく変わっていないことがわかります。これは感染者が増加した後に遅れて死者数が増加する傾向にあるためと考えられます。ただ、結果が出るまでには時間がかかるためもう少し様子見が必要であり政府としても段階的に規制緩和をするしかないということなのでしょう。

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またもう一つの重要な指標である重篤患者数についても見ておきたいと思います。重篤患者数に関しては下記のグラフが示す通り11月16日を境に低下傾向にあるのが分かると思います。まだ効果は大きく出ていないのですが少しづつ結果が出ているのが分かります。

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このようにフランスはロックダウンをすることで感染者数の増加数と重篤患者数を確かに抑え始めていることが分かります。やはり人と人との接触回数を減らすと確かに効果が出るということでしょう。ただし、まだ安心できるレベルでは全くなく継続して注視が必要となっており完全に規制がなくなるにはまだまだ時間がかかる状況なのです。

とは言え、まずは規制緩和に向けて動き始めたことを祝いつつも引き続き個々人が注意をして生活しないといけない状況は続きそうです。

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