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リヨンの現状②~2度目のロックダウン~

少し時間を置いてしまいましたが今回は前回お伝えできなかったリヨンの現状に関して1回目のロックダウンとの違いも踏まえてお届けします。

フランスのロックダウンとは

現在、フランスで2度目のロックダウンが行われていると報道されているのではないかと思います。ただ、フランスでは正式にはConfinementという言い方をしています。ロックダウンというと都市封鎖という意味ですがConfinementは監禁の意味ですので「家から出ないで」ということを強く意味したかったからでしょう。そのため政府として規制しているのは家から出ることです。ただ、日用品の買い出しや病院に行くなど日常生活を維持するために外出が不可欠になるケースがどうしてもあります。そのためフランス政府は基本的に外出を禁止していますがどうしても必要な場合に外出許可書の携帯を義務付けています。もし警察に許可書の提示を求められた時に不携帯だった場合は1度目が135ユーロの罰金、そして30日以内に3度不携帯であった場合は3,750ユーロと6ヶ月間の禁固刑が科されることになるのです。これがフランスのロックダウンの状況です。
実際にどういった理由で外出が認められるかというと下記になります。

  ①通勤や通学のため
  ②日用品の買い出しのため
  ③通院のため(リモートで実施できない場合)
  ④家族のサポートのため(脆弱な人の支援、子供の監護など)
  ⑤身体障害者と介護者の移動のため
  ⑥個人で行う軽い運動のため(自宅から1km以内、1日1時間以内)
  ⑦裁判所や公的機関からの呼び出しや役所での手続きのため
  ⑧行政機関の要請による公益任務への参加のため

ちなみに上記の例外は1回目のロックダウン時とほぼ同じ内容です。ただ、1回目と2回目で異なるのは許可書の作成方法の選択肢です。元々1回目は実際の書面の携帯が必要となっていました。そのためパソコンで書類を印刷して記載するか、手書きで全ての内容を手書きすることが必要でした。(ちなみに1回目のロックダウンの途中から電子版も発行されましたがウェブベースで作成しPDF出力となってました。)
それに対して2回目はもちろん書面もOKですが下記の通りコロナ対策のスマホアプリからも可能になりました。アプリ上で必要事項を記載するとQRコードを発行できるようになっています。氏名や住所など変わることのない情報は一度記憶させておけば次回からは理由のみ選択で簡単に許可書が発行できるようになっています。また英語の翻訳にも対応されたので個人的には格段に楽になった感じです。
ちなみにこのアプリですがコロナ感染者との接触状況をスマホのBluetoothの機能を使って監視するアプリになっています。外出許可書の発行を簡単にすることでアプリの普及も後押ししようとしているのかと思います。

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ロックダウン中のリヨン

では、ようやくロックダウン中のリヨンの街の状況が実際どうなっているのかをお話しします。まず実際の感覚からすると今回のロックダウンは前回ほど厳格なロックダウンにはなっていない印象です。なぜそう思うのかというと実際に買い物等で街に出た時に開いている店舗や施設も前回より増えており、出会う人の数も増えていると感じるためです。これは政府が経済を回すことも重要視しているためと、ロックダウンが2回目ということで国民も幾分かこの生活に慣れてしまったということも影響していると思っています。

具体的に前回と何が違うかというと前回クローズしていた幼稚園や小中学校、高校がオープンしていたり、公園、そしてマルシェもオープンしている点です。幼稚園や学校をオープンしている理由は子供の学習を止めないこと以外にも子供を預けられるようにすることで親が仕事をしやすいようにすることも理由の一つのようです。ただし、コロナの感染を防ぐためカフェテリアはしまっていた李するようです。公園も前回は完全に封鎖されていたのですが今回はオープンしており散歩やランニングしている人もいます。ただし、軽い運動は上述の通り1km以内の制限があるため公園に近い人しか行けないのでそこまで人は多くないです。ちなみに大きな公園は直径1㎞以上あるのですが一周ランニングしている人が結構います。1㎞以内のルール守れてないだろうとは思うのですが特に取り締まりもないので暗黙の了解のようになってます。

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また前回閉まっていた一部大手家電量販店や眼鏡屋、携帯ショップなどもオープンしています。

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一方でレストランやバーは持ち帰りを除き前回と同じくクローズしています。基本的にコロナの拡散は飲食店での拡散が多いと考えられるため当然と言えば当然です。それに加えアパレルショップや日用品以外の小売店(雑貨屋や本屋など)も前回同様にクローズしています。

スーパーやパン屋、食べ物を持ち帰りできる店舗は前回同様オープンしています。ただし、大手スーパーには食料品以外にも本やおもちゃ、衣類などの売り場もあります。前回のロックダウン時はこういった売り場で色々なものを購入できましたが今回は日常生活で必須となるもの以外は販売できないようになっています。これは小規模店舗側が強制的に閉鎖となるためオープンしている大手スーパーに売上を全て奪われてしまうのを防ぐためです。実際、スーパー内のおもちゃ売り場や書籍コーナー、衣類売り場は立ち入り禁止のテープが貼られています。ちなみにロックダウン中ですが週末に規模の大きいスーパーに行ったら結構混雑していました。

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以上が現状のフランス、リヨンの状況になります。

次回は今後の規制緩和に向けての状況をお届けします。

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