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ハートのキングの器
キングはキングになるべくしてなる
キングの器の大きさは生まれながらにして存在している
待ち合わせの場所で彼の顔を見るとフッと緊張が緩み、安心に包まれた。
今日まで大した会話もなく、この人のことをあまり知らないのになぜだろう。
不思議と懐かしい感じがした。
喫茶店の席につきオーダーをすると
早々にその日あった出来事の話をすることになった。
私が一通り話し終わるまで
頷きはするが言葉を挟まず、穏やかな表情で彼は聞いていた。
「大丈夫ですよ。あなたより私は彼のことを知っています。
そして、今日あった出来事があなた自身の評価につながることはありません。」
彼の言葉を聞いて私は冷静さを少し取り戻した。
自己否定に陥っている自分に気づいた。
「迷惑になるんじゃないかと思って、お断りしようとしていました。」
「社長から色々とお話はあるかと思います。
ですが、どう受け取るかは私次第なので、そこは心配いらないですよ。」
この人から感じる安心感は、
雰囲気や口調、声のトーンだけではなく
姿勢・在り方からくるものだと思う。
「オファーいただいた件、ぜひお受けしたいです。よろしくお願いします。」
「よかった!お断りされたらどうしようかと思ってました。」
彼は安堵したような表情を見せた。
数回しか顔を合わせたことがないけど、
“冷静沈着”で表情も硬めな人というイメージがあったため
こんな表情を見るのは初めてで正直意外だった。
その佇まいはまさにキング。
冷静さの間に見せる人間らしい彼の姿は、人を惹きつける魅力である。
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