見出し画像

ハートのキングが動く時


クイーンのピンチこそキングが出動する時
キングの勇敢な姿にクイーンの胸は高鳴る


悲しかった。
今までお仕事に対しては最善を尽くしてきたから。
丁寧に向き合い、やりがいを見つけて楽しみながら働いてきたからこそ
全てを否定されるような言葉に胸が苦しくなった。
翌日から出勤できるほど強くなかった。

「こんな終わり方だと、いただいているオファーもお断りしないと」

その時は彼に迷惑がかかると思い、断ろうとしていた。

たまたまその日友人とランチする約束があったため、
泣きながら退社し、待ち合わせ場所に向かった。

合流するなり泣いている私をみて友人はびっくりして経緯を話すことに。

「選んでもらいなよ〜。
そのことをどう捉えるか、どう判断するかは相手次第だし。
何も伝えずに断るのはもったいない気がするから、今日の出来事をそのまま話して彼に判断を任せればいいじゃない。そのことが理由で断られるならそれまでの縁だし、そうじゃなければ出来事自体は大したことないし。」

友人からの言葉に妙に納得をした。

「そっか選んで貰えばいいんだ」

友人と別れてすぐに彼に連絡しようと携帯を見ると
丁度彼から連絡が届いていた。

“お話させていただいている件、本日中にお返事いただけますか?”

“その件で今日少しお時間いただけますか?”

返事はすぐにきた。

“今日そちらの会社に伺いますね。何時に行けばいいでしょうか。”

“実は訳あって今日は早退させてもらいました。
時間と場所をおっしゃっていただければそこに向かいますよ。”

Prrrrr

送ってから数秒後に電話が鳴った。

「もしもし。」
少し涙声になってしまったことに自分でも気が付いた。
「今どこにいますか?」
「〇〇駅です」
「実はそちらの会社に電話をした時に怒鳴り声が聞こえてきたので、
誰に言ってるのか心配していたんです。あなただったんですね。
今すぐそちらに向かいます。直接お話しましょう。」

心の底からホッとした感覚と、
今日の出来事を話する事への緊張が入り混じりながら彼の到着を待った。




衝動が引き合う瞬間に全てが動き出す

鼓動の高鳴りはただの緊張にすぎない!
…そう言い聞かせている自分に気付く。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?