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シンギングボウルの音に乗せて伝えたい、本来の自分と向き合い調和を大切にすること|サウンドヒーリングセラピスト Namiさん

今回インタビューをさせていただいたのは、サウンドヒーリングセラピストのNamiさん。9年間の海外生活から2019年に日本に帰国し現在は鎌倉を拠点に活動されています。サウンドヒーリングの魅力や旅が人生に与えた影響、これからの挑戦について語っていただきました。

Anahata nada singing bowl therapy
公式Instagram


何千年もの間、人々を癒してきたというシンギングボウルとの出会い

ーー現在鎌倉を中心にサウンドヒーリングセラピストとして活動されているそうですが、これまでの経歴を教えてください。

20代はアパレルの仕事をしていました。その頃から一人旅が好きだったのですが、高橋歩さんに影響を受けて世界一周がしたいと思うようになって、退職してまずは英語力を伸ばそうとオーストラリアに行きました。結果2年滞在することになり、終わりに近づいてきた頃挑戦したダイビングにハマってライセンスを取得。その後はダイビングのインストラクターとして世界中で働きながら旅するという生活を9年ほど続けていました。

日本に帰国後はパタゴニアでの勤務をしながらヨガの講師をしていました。そして2022年の7月からヒマラヤンシンギングボウルを使ったサウンドヒーリングセラピストとして活動しています。

屋号はAnahata nada singing bowl therapyですが、Anahata nadaとは「衝突のない音」という意味で、耳からではなく体全体で聴く音という意味があります。

ーーアパレルからダイビングインストラクター、ヨガ講師までされていたNamiさんがシンギングボウルに出会ったきっかけと、今のように一本で活動しようと思ったきっかけは何だったのですか?

一番最初のシンギングボウルとの出会いは10年くらい前に行ったネパールです。当時は知識もなかったので特にこだわらず現地で一つ買ったのですが、自分で瞑想する時や気分が晴れない時、あとは日本に帰国してからヨガのクラスでもたまに使っていました。

その後2年ほど前に音のもたらす効果などを調べていたこと、シンギングボウルの中でも「フルムーンボウル」という特別なボウルがあると知ったことが重なって、フルムーンボウルを使ったセッションをしていた人が日本にいたので受けに行きました。その時に「シンギングボウルというのは何千年もの間、人々を癒してきたボウルなんです。」という話を聞きとても感動し、涙が止まらなくなったんです。私もネパールでシンギングボウルを習いたい!と思いすぐにネパール行きの航空券をとり、1ヶ月ほど修行しました。

今のように本格的にシンギングボウルのサウンドヒーリングセラピストとして一本でやっていこうと思ったきっかけは、正直これ!というのは特に覚えていなくて、とても自然な流れでこうなったように感じています。不思議ですが自分の中で今の活動をすることが決まっていたかのような感覚です。

母なる地球が生み出すフルムーンボウルの奏でる、宇宙の音

ーー偶然のように思えますが、実は必然的に今の活動に繋がっていますね。そもそもシンギングボウルがどんなものか聞いてもいいですか?

私の使うシンギングボウルはヒマラヤンシンギングボウルといいます。セッションはヒマラヤ地方で伝統的に伝わる、チャクラのバランスを整えるためのサウンドセラピーです。

セラピーで使うシンギングボウルはチベットのお坊さんが瞑想の際に使用する仏具で、楽器ではありません。ヒマラヤ地方で少なくとも2000年前くらいから使われていますが、誰が何のために作り始めた。という文献は残っていないんです。ボウルの力がありすぎてあまり外に出さなかったとも言われています。

お土産品や手軽に買えるものは、素材がほぼ真鍮で機械製の中国産だったりしますが、私が使っているボウルはリサイクルではないピュアメタルの金・銀・銅・水銀・鉛・鉄・錫から出来ていて、地球にある7つの鉱物が良いバランスで配合されているからこそ、母なる地球が生み出したボウルとも言えます。

そして、満月の日に職人が手作りするからこそ満月のパワーも宿り、「フルムーンボウル」と呼ばれています。今本物のフルムーンボウルを作っているのはネパールに4家族しかいないのでとても希少です。​​シンギングボウルの奏でる音はNASAが収録した冥王星がだす周波数の音と同じとわかっていて、まさに宇宙の音。ぜひ聞いてみて欲しいです。

ーー私もセッションを受けた時には宇宙空間にいるような不思議な感覚になり、とても心地よくてシンギングボウルのファンになりました。セラピストであるNamiさんはシンギングボウルのどんなところに魅力を感じていますか?

年齢、体が硬い柔らかいに関係なく誰でも体験できるところです。
そもそもヨガのインストラクターをやっている時に、毎日練習しなくてもどんな人にも何かしらの気づきをもたらすことができるワークってないかなってずっと考えていました。
ヨガはやっぱり毎日継続して結果がついてくるところがあるので相当な努力が必要だと思います。でもそれにコミットできる人は多くはない。自分を知るとか本質に戻るということは気づきがまず第一だと思っています。だからそのきっかけを誰にでも簡単にもたらせて、受け身でもよくて、毎日ヨガを練習したり瞑想したりしなくても同じ効果があるものってないかな〜って考えていました。その時にサウンドヒーリングを体験してこれだ!と思ったんです。思考が停止することで過去や未来に意識を向けず、今ここにいる感覚に目覚めるセラピーです。

それに、​​同じ音でも響きの感じ方が人によって違ったりするのも本当に面白いなと思っていて、 間違いも正しいもないよっていうのを証明してくれて、ジャッジしないで全てを受け入れることを体感できるのは魅力だなと思います。サウンドセラピーはNada yoga 音のヨガと言われていて、自分の体と心の周波数を整えるヨガだと私は思っています。

旅が教えてくれた、新しい世界と気づき

ーーシンギングボウルは自分に向き合い、気づきを得るのを手伝ってくれるのですね。これまでの経歴もそうですが、とてもナチュラルで自分を大切にされている印象があるNamiさん。ずっとそのようなライフスタイルを送ってこられたのですか?

アパレルで働いてる時はブランド物もかなり買っていたし、高級百貨店のメンバーカードも持っていて、そういう高級品も好きだったのですが、旅に行ってみたら結局必要だったのは バックパック1つだったっていう気づきがありました。

20代の時なんて自分の経験もないし、同年代の子とばかりと働いてたから狭い世界で生きていました。でも旅をすることで違う世界があるっていうのを少しずつ知っていって、自分とは全然違う人と出会ったり、え!という予期せぬ出来事を経験したり。そんな経験から価値観も変わり、物質より本質に向き合うようになりましたね。なるべく地球に優しくいたいと思っているし、思い立ったことがすぐできるように、余白のある生活を心がけるようにもなりました。

それに旅をしていると、ブラジル人だってインド人だって話してみると言語や見た目は違ってもみんな自分を同じ人間というのがわかって、自分の中で国境というのはなくなりました。旅自体もちょっと箱根に行ってくるね。という感じの気軽さになって、今では世界が遊び場になりました。

ーー旅に出たことで今のNamiさんがいるのですね。 

そうですね、ダイビングは旅をしなかったら絶対やっていなかったと思うし、もともとアパレル勤務時代から始めたヨガもインドのアシュラムというヨガだけをやるお寺でヨガの哲学や考え方、行動全てを本場で学んだのですが、それがなかったらただ見栄えだけを気にするようなヨガをしていたかもしれない。旅先で出会う本物に対して、どうしてそれをやるようになったのか。 とか、なぜ?を追求していくことで興味が出てくることはすごく多かったので、その度に質問しすぎて迷惑がられたこともあります(笑) 

サウンドヒーリングをもっと身近な存在へ

ーーとことん本物、本質を大切にされる姿勢が素敵です。そのような経験を経て、今人生で大切にしている事やこだわりはありますか?

大切にしているのは「調和」です。もともと食べ物だったり思考だったり調和を大切に保っていた日本人が、最近は外的要因からバランスが取れなくなっていることが多いと感じます。もう一度調和を思い出していくのが大事かなと思っていて、シンギングボウルのセッションを通して、いろんな人が本来の自分と調和してもらえたら。という想いもありますね。

シンギングボウルを始めてから神社に良く行くようになりました。日本人が昔から大切にしていた自然の中に見つけた神聖なものを祀った神々がいる場所です。そんな場所に感謝を伝えに行く。そうすることで新たなインスピレーションを頂けたり、直感力や感性を育めたりします。そして自然の壮大な美しさや畏怖の念を抱き常に暮らし、自然と調和していた頃の感性を少しだけ思い出せるような気がするんです。

ーー最後に、Namiさんが今後やりたいことや目標を教えてください。

シンギングボウルのサウンドヒーリングを体験できる場所を自然の中に作りたいと思っています。なるべく自然の中で寝っ転がったりして、五感に意識を向ける機会を作れる場所があればいいですよね。

サウンドヒーリングは、例えば目に見えてここが治った!とか凝りが取れた!というものではないので、まだまだ認知度も高くないので知ってもらうことも課題です。なるべく多くの人に知ってもらうために、サウナとサウンドヒーリングを組み合わせて、サウナの後にサウンドヒーリングを受けてもらうというイベントも始めました。サウナで自分を整えたい、気持ちよくなりたいと思っている人にアプローチすることで、自分の内側を見るきっかけになればいいなと思って。

将来的にはマッサージのような感じで月一回とか、気軽に自分と調和し向き合う手段としてサウンドヒーリングがさらに広まっていけばいいなと思っています。

<取材・文:Mary>

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