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BTSの推しが兵役に行っている間にできる、「待ち活」という名の推し活〜南北境界線(DMZ)ツアーに行く〜


涙の推しの入隊

BTSの最推しであるJINが兵役に行ったのは2022年12月13日。
世界中で活躍し人気絶頂にあったBTSでさえ、韓国人男性としての義務を全うするために1年半という兵役につくことになり、かつJINは最初の入隊メンバーということで当時はかなりニュースになっていた。
何ができるわけでもないけれど、少しでも推しの近くで応援したいと渡韓してソウルにいた私は、ニュース速報を見ながらバスの中で涙したことを覚えている・・。

でも、幸いにも時間は過ぎていくもの。来月(2024年6月12日)にはキムソクジン(JINの本名)として1年半の兵役を終え、BTSのJINとしてファンの前に戻ってくる。

보고 싶어요!!

入隊中だからこそできる「待ち活」という名の推し活

1年半なんて長すぎて寂しい!と思っていたけれど、推しが事前に準備してファンのために定期的に届けてくれるコンテンツのプレゼントや、他BTSメンバーのソロ活に本当に助けられたし、時にはBTSファンの友人達と集まっては彼らについて語り、推しの言葉を理解したいという一心で新しく韓国語の勉強に挑戦したり、「推しが兵役に行った」からこそ見えた世界や感情もたくさんあったと思う
そんなことをしていたら、「除隊」という待ちに待った日は、あっという間にすぐそこまで迫っていたのです。

同じBTSファンであり、お世話になっているライターさんの間木まきさんは、推しが兵役から戻るまでの物語として空白期間にできる33のこと、「待ち活」についてまとめた本を出版されました。
寂しいことに変わりはないけれど、ファンは何もせずにただ推しの除隊を待つだけなんでありえなくて、兵役中だからこそ推しを想ってできる推し活があり、まさに「待ち活」という言葉がピッタリの指南書です。

もしあなたの推しが兵役に行っているかこれから行く場合は、ぜひこの「待ち活33」を参考に新たなことに挑戦したり、空白期間を推しと一緒に成長する期間として、寂しい気持ちを新たなステージに進むモチベーションに変えてほしい

私はこの本の中で、南北境界線(DMZ)ツアーに参加する。というチャプターで少し取材協力をさせていただいたので、このnoteではツアーのレポートを詳しく書いてみようと思う。

南北境界線(DMZ)ツアーに参加した理由

私は恥ずかしながらBTSに沼るまでは韓国文化に疎く、旅行に行ったこともない、ましてや韓国の徴兵制度については考えたこともなかった。
推しのBTSが兵役に行くことで、活動を一時休止しなければいけないという現実に向き合ってから、「そもそもなぜ彼らは兵役に行かなければならないの?」という疑問がまず浮かんだ。

それは、実はいまだに北朝鮮と韓国の朝鮮戦争が完全に終わったわけではなく「休戦中」であり、いつ戦争が再開するかわからないから。
再開しないかもしれないし、するかもしれない。だからこそ徴兵制度は無くならない。そして背景には少なからずも日本も戦争に関わっていた歴史があることを知った。

自分を愛することや、人種や年齢宗教なんて関係ないと平和のメッセージを発信してくれるBTSが、対極にある兵役につかなければいけないことはセンシティブな内容なので深くは書かないけれど、ファンとして彼らの置かれている状況や兵役にまつわる韓国の歴史を理解してみようと思い、北朝鮮と韓国の南北境界線(DMZ)ツアーに参加することを決めた。

Love yourself world tour

170m先は北朝鮮 


インターネットでDMZツアーと検索するとたくさんの日本語ツアーが見つかるので参加は難しくなく、大まかに3つの重要なエリアに行くことができます。

1. 臨津閣(イムジンガク)公園

ソウルから車で約1時間のところに平和記念公園、臨津閣(イムジンガク)公園がある。ここは個人で誰でも行くことができる場所で、軍事境界線からわずか7キロという距離。

イムジンガク公園には、朝鮮戦争の休戦時に捕虜となっていた韓国軍と国連軍が自由を求めて渡った「自由の橋」や、戦争の生々しい銃弾の跡がついた蒸気機関車、記念碑やゴンドラなど見所がたくさんある。

攻撃の激しさを物語っています
銃弾の跡がリアル

この先にある非武装地帯に向かうにはパスポートを提出して受付をし専用のシャトルバスに乗り換える必要があり、ゲートには本物の軍人もいて12月の氷点下の寒さも加わり緊張感が増した。

慰安婦像
実際の北朝鮮の紙幣が買えるお店もあります
警備も厳重なエリア

2. 第3トンネル

第3トンネルへ訪れることはDMZツアーのハイライトのひとつだが、この第3トンネルとは北朝鮮軍が実際にソウルに攻め入るために秘密裏に掘ったトンネルで、地下73メートルのところにあり、北朝鮮軍がダイナマイトを使って掘り進めた跡を実際に見ることができる。170m先はもう北朝鮮というところまで進めるので、改めてソウルという首都は北朝鮮にとても近い場所なんだと再認識した。

DMZ記念碑
ここから地下の第3トンネルに向かいます

3.都羅展望台(トラチョンマンデ)

この展望台にある望遠鏡からは北朝鮮の様子が見える。実際に歩いている人もいて、北朝鮮という謎の国でも普通に暮らしている人がいるのだと考えさせられた。JINが配属されたのも北朝鮮に近い部隊だったため、一層推しの安全と健康を願った。

北朝鮮の国旗が見える距離
爆破された南北共同連絡事務所も目視できる

BTSが教えてくれたこと

案内してくれたツアーガイドさんも、日本人が韓国アイドルやグルメ、コスメに興味を持ってくれるのはとても嬉しいことだけれど、もっとこのツアーに参加してほしいと言っていたのが記憶に残っている。欧米人は韓国に来たら高確率で参加するツアーだけれど、日本人はそれに比べて少ないのだそう。

私だってBTSのファンになって彼らの祖国を知りたい。兵役について知りたいと興味を持たなければ、DMZツアーに参加することは一生なかったかもしれない。以前は韓国にもあまり関心がなかったけれど、「興味関心を持って相手を知ること、それが平和への第一歩」という何かのフレーズを思い出した。まさに推しが兵役に行ったからこそ参加したツアーだったし、視野を広げてくれてたBTSに感謝しさらに平和を願うようになった。
「待ち活」として、とてもおすすめしたいツアーです。

来る2025年6月まで

BTSのかっこいい外見はもちろん、それ以上に音楽性やパフォーマンス、等身大のメッセージ、人間性の素晴らしさに日々魅了され、彼らへの愛が小さくなることはない。そして兵役中の空白期間でさえ、「待ち活」を通して大事なことを教えてくれる彼らは、大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、私の人生をさらに照らしてくれる光だ。

先駆けてJINが戻ってくる6月12日は、どんなに幸せな気持ちになるか想像がつかない。

残りの6人全員が除隊して、7人が揃う2025年6月まで私の「待ち活」はまだまだ続く。
「待ち活」が完全に「推し活」に戻るその時は、おめでとう!と自分にも言ってあげよう。




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