共依存症者の恋愛サイクル③直面する現実と絶望
前回に引き続き、共依存者の恋愛サイクルについて話していく。
今回は、
④ より多くを要求するが、満たされない部分もしだいに出てくる
⑤ 自分をごまかすことが難しくなってくる
⑥ ひきこもり
についてだ。
現実に直面し、そして絶望する。
でも、これは苦しみへの入り口でしかなかったりもするんだ。
④ より多くを要求するが、満たされない部分もしだいに出てくる
①~③の幸せ絶頂期を経て、相手が自分のすべてを満たしてくれるはずだ、と思い込んでいる。
すると、自然と、相手に求めるものもより多くなってくる。
「きっとこう言ってくれるはず」「喜んでくれるに違いない」「会いたい時はいつでも来てくれるんだ」
そう思い込んで、その通りの行動を相手に求める。
けれど、相手はそのすべてに対応できるわけではない。
そして、回避依存者は相手から迫られると逃げ出してしまう傾向があるので、この段階になると、共依存者から遠ざかろうとしたり、ひどいと思うような行動(浮気や暴力なども含む)をとるようになる。
でも、この段階になってもまだ共依存症者は現実を認めない。
「きっと仕事が忙しいんだ」「少し機嫌が悪かっただけ」なんて言葉で、自分を納得させてしまう。
思い当たることはたくさんある。
私は相手に対して「繊細だから傷ついて傷つけてくる時があるけど、優しいところもあるって知っている」と思っていた。
だけど傷ついていて、悲しんでいた。
もっと言えば、被害者ぶっていた。
でも、相手に対して勝手な理想を押し付けて、無茶な要求をして、落胆していた自分にも否があると、今なら思える。
⑤ 自分をごまかすことが難しくなってくる
いくら現実を認めないように言い訳をしていても、限界は訪れる。
相手はネガティブな側面を持っていること、自分のすべてを満たしてくれるわけではないこと、自分から遠ざかろうとしていること、それらの事実に蓋をすることができなくなるのだ。
それはまるで、天国の後の地獄だ。
全ての苦しみから解放されたと思っていたのに、全部思い違いだったなんて。
そんなの。そんなの辛すぎる。
だから、この状況に抵抗しようともがき始めるのである。
大声で要求を叫んだり、怒ったり、泣いたり、脅したり、浮気をしてみたり…
だけど、この抵抗がうまくいくことはほとんどない。
回避依存者はますます逃げたり、支配的になったりするばかりだ。
状況が改善するどころか、自分の心や体を傷つけていくことになり、お互いの関係はどんどん悪化していく。
私は、結婚生活の中で、よく泣いた。
泣きすぎると本当に目が腫れるということを、初めて知った。
要求を通したくて泣いていたという自覚はなかったけれど…
ひどいことを言われると、「なんで?どうして?」が溢れて涙になった。
でも、その後に続く言葉は(私の望んだ人でいてくれないの?)だったのかもしれない。
まぁ、結局、泣くことを責められるばかりで、状況が良くなることはなかったんだけど。
⑥ ひきこもり(withdrawal)
『恋愛依存症』では「ひきこもり」という題になっているが、意味が分かりにくかったので「withdrawal」について調べた。
Wikipediaを参考にすると、離脱症状という意味合いのように思える。
分かりやすく言えば、禁断症状のようなものだ。
つまり、依存していたものが手に入らなくなったことによって、色々な苦しみが襲ってくる状態だ。
一度満たされたはずの孤独や愛されたい気持ち、劣等感などが、また戻ってくるのである。
しかも、期待が裏切られた絶望感と、愚かな自分に対する自己嫌悪までプラスされている。
もともと、普通の人よりも抱えていた痛みが大きかったのに、それが威力を倍増してまた襲い掛かってくる。
その苦しみや悲しみは、非常に大きく、この時期に鬱になってしまったり、自傷行為に走ってしまったりすることも少なくない。
さらには、苦しみから逃れるために、別のものに依存する(ギャンブルや買い物、アルコールなど)可能性もある。
苦しい状態に抵抗していた⑤の時も辛いが、どれだけ抵抗しても状況が改善しないと気付いた時の絶望感は、言葉で言い表すことができない。
現実的に見れば、もう、この恋は終わっていて、だから禁断症状まで出てきている。
ここから、共依存症者の恋愛サイクルは2つのパターンに分かれる。
現実を認められず、妄想にとらわれて相手にしがみつくパターン
現実を認め、あきらめるパターン
である。
次回は
⑦ 恋人を取り戻す(または改心させる)ために、妄想的な考えにとらわれるようになる
⑧ 妄想が実行に移される
⑨ パートナーが戻ってくる、もしくは、新しいパートナーを見つけることにより、①からまたサイクルを始める
について話しながら、恋愛サイクルの2つのパターンについて説明していく。
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