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釣った魚を食しながらサッカーW杯や日本といふ国を思う

まだ記憶に新しいサッカーW杯カタール大会。日本代表選手たちの激闘ぶりに心を打たれた方は多いだろう。

W杯とかオリンピックとかイベントごとの時にだけ熱くなる、ザ・にわかファン日本代表の私だが今回はなんだか本当に胸を打たれてしまって、日本という国や人生について色々考えてしまった。

ひとえに、もう選手達の素晴らしさ(ブラボー!)、監督のナイス采配、日本チームの他国にはない素晴らしさが世界中に伝わった大会だったと思う。

我が家は小1の息子と旦那共に、日本が出る全試合をほぼリアルタイムで観戦した。
ほぼ、というのは、ドイツ戦だけは息子は前半のみ観戦となった。後半は夜遅くに差しかかり、翌日も普通に学校があったため、寝かせないと、と私が判断したためである(それにこの時点で日本は負けており、強豪ドイツ相手にその後逆転勝利するなど夢にも思わなかった)。

この【息子を寝かせた】選択は誤りだったのかどうか、分からない。
私は翌日への影響や息子の健康を危惧し、見せたい気持ちは山々ながら寝かせたのだが、旦那は歴史的勝利の瞬間の感動をリアルタイムで息子に見せるべきだった、それで人生が変わることもあるのに、と豪語した。

分かる。分かるのだが。予想しなかったのだ、あの状況でまさか日本が勝つなんて。
相手はドイツである。

その後コスタリカ戦を経て、スペイン戦。

ここでもまた、歴史的どんでん返し、夢のような瞬間が繰り広げられた。
今度は息子も最後まで観た。
まだ寒くて暗いリビングで、柄にもなく歓声を上げた。この感動と喜び、諦めなければ夢は叶うんだ!的な、熱いものを息子が感じ取ってくれたようで嬉しかった。

コスタリカ戦は勝てた試合だった、とか、クロアチア戦でそもそもPKにいかなければ、とか。
世間の人は色々好きに言う。

そんなこと分かっているというか、一番勝ちたかったのは選手達だろう。そのために色々な犠牲を払って血の滲むような努力をしてきたのは、我々好き勝手にテレビの前であーだこーだ言っている私達ではない。

勝つために、4年間ここに賭けてきたのである。
私達の知り得ぬ沢山の苦労や葛藤があったに違いないのだ。
日本中に感動を届けてくれた日本代表選手たち、森保監督や関係者の皆さんに【ありがとう!】と心から言いたい。

毎日単調な日々の中で、心震える瞬間をくれた。
世界を舞台に闘うって。日本を背負って闘うって。本当にすごい。

と、まぁ真面目な話はこの辺りにして。

◇◇

先日息子が釣りに行き、魚を大量に釣って帰ってきた。
ブリ、シマアジ、鯛。
大量の魚の処理に悪戦苦闘しながら、そろそろメニューのレパートリーもなくなってきたところ、最後の鯛を醤油漬けにして、ご飯にかけて食べた今日の朝ごはん。

鯛は焼いたり刺身にしたり、アクアパッツァもどき(いまいちだった)を作ったり色々したのだが、
この【鯛の漬け丼】と昨夜の残りの【鯛のあら汁】の朝食セットが絶妙に沁みた

なんというか、ありがたい、と手を合わせたくなったのである。合掌。
寒い朝に、心がほぐれて。日本って素晴らしい。日本人で良かった。そんな感覚がじわっと湧いてきた(普段滅多に思わないくせに)。

漬け丼の薬味は炒りゴマと、ミョウガ、ワサビ。あら汁にはアクセントに柚子胡椒を。
タレに入れた生姜が、全体の味をうまくまとめている。

こういう薬味の奥深さとか、生の魚の新鮮な美味しさ(岬で働く漁師の男達を勝手に想像する)、丁寧に出汁をとった風味、ほかほかのご飯から湯気が立ち込める感じー
これって日本ならではなんじゃないかと思う。

日本人で良かった、という月並みな表現しか見つからない。

日本ならでは、といえば、サッカーW杯の日本代表もそうだ、と思い出した。

素人目線であるが、日本のチームはとにかく【仲間を大事に】している印象が強い。
どの選手のコメントを聞いても、【チームで勝ち取った】とか、【誰々がいいパスを出してくれたお陰(自分の手柄ではない)】とか【みんなで】とか【全員で】とか【声を掛け合って】とか、そういうワードをよく聞く。

対して、外国の選手は一概には言えないが、【自分がシュートを決めたぞ!どーだ!】的な言動があったり、チーム内同士で揉め事を起こしたり、対戦相手と殴り合いになったり、まさかの審判に手をあげたり。そういう光景を目にすることは珍しくない。

勿論、日本が良くて他国が悪いという訳ではない(暴力は良くないが、文化の違いがそもそもある)。
調和・協働を重んじる日本という文化の中で、切磋琢磨しながらやってきたであろう日本代表選手達。
プロである以上、ものすごく努力をして、恐らく一人一人がライバルであろうに(W杯に選ばれなかった選手は多数。選ばれても結局最後まで試合に出ることはなかった選手も多数。)、いざという時には皆で助け合って、励まし合って、相手を尊重する。
それが日本チームの良さだよな、と本当に素人ながらそう思った。

えっと、あんた誰?と言われかねないが、ザ・にわかサッカーファンのただの主婦である。サッカーに詳しくもなんともない。
ただただ、感動したとだけ言わせてほしい。

個人的には、キャプテンの吉田麻也選手のコメントに涙したのだが、吉田選手の言っていたとおり、「W杯を観て、サッカーやってみたい、日本代表ってかっこいいな、と憧れる子ども達が増えて、日本のサッカーがもっと盛り上がって、ベスト8とは言わずその上までもを目指してほしい」と、我が息子や未来の子ども達に思いを馳せずにはいられない。

そして、「その一端を自分が少しでも担えたのだとしたら嬉しい」という最後のコメントに痺れた。
こういうコメント力も凄い。

なんだかもう本当に、日本の選手、すごいわと。
絶品の日本の朝食に舌鼓を打ちながら、日本の素晴らしさを改めて感じてみたりした、今日の朝であった。

ちなみに、ブリは刺身とブリしゃぶで食べたのだが、ブリしゃぶがまた美味し過ぎて、気分はすっかり年末モード。
もう何日か魚和食尽くしが続く予定である。

しかしこれだけ日本の良さとか語っておきながら、来週あたりはきっとピザとか食べているに違いない、単純な私である(なんならもう食べたくなってきている)。

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