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私小説【弟】

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プロローグ【無料】 かわいいかわいい弟へ 弟という不可解な存在が私を悩ませてきました。生まれたあの日から、両親が亡くなり、日増しに弟は巨大になっていきます。昨日も今日もそして、き…
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2020年10月の記事一覧

私小説【弟】

私小説【弟】

14歳の時に母が、18歳の時に父が他界して以来、私と5つ下の弟はこの敷地面積500坪の大邸宅で二人暮らしをしています。33歳と28歳の働き盛りのふたりですから、週に数回はお手伝いさんに入っていただいています。お料理やお掃除をしてくださるのは「初音さん」という24歳の女性です、重たいものを運ぶときなどは別のサービス会社から「律さん」という私と同い年の男性が来てくださいます。そのほかにも我が家に出入り

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