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子供のためのはじめての美術館(8)生ハムを描いたふたりの画家、どっちが美味しそう?

画家がか果物くだものはな、それかくもいて、なんでもかたることができるんだよ。ぼくはそういうのをくのが、大好だいすきなんだ」 マネ-オルセー美術館


きょうはおいしそうな、ハム

ゴーギャンがきました。

まどからはいってくる夕日ゆうひのオレンジいろみどりのテーブル。あと、野菜やさいとワインも 用意よういしたよ。

マネもきました。

しろいテーブルクロス
銀色ぎんいろさらにのったなまハム。

ナイフもちょっとおしゃれに白なんだ。
ね、うすくって、サンドイッチにしよう。


Paul Gauguin (1848-1903)
ポール・ゴーギャン

Le jambon, 1889 ハム マネが描いたバイヨンヌの生ハムを後に同じテーマで描いた。
Philips Memorial Gallery (Washington)
ルーブル美術館企画展les choses

Edouard Manet (1832-1883)
エドゥアール・ マネ

Le jambon, 1875 ハム
Glasgow Museums, Burrell Collection
オルセー美術館企画展Manet/Dogas

マネの生ハム 静物画
マネは「画家は果物や花、あるいは雲で何でも語ることができる」と主張し、純粋に静物画を愛し、マネが静物画に課した情景描写は、まさに天才的なものだった。
彼のスタイルは、現実を重視している点で印象派とは異なる。
マネは、印象派が用いた新しい色彩技法や光の特殊な処理をほとんど、あるいは全く用いなかった。しかし、肖像画、海辺の風景、パリの生活、静物など、繰り返し描かれる特定のテーマにおいては、彼らに近いものを感じさせた。
マネが静物画を描いたのは、主に経済的な理由からだと言われることが多くマネ自身も、肖像画よりも静物画の方が交渉がしやすかったと認めている。
特に1870年以前と、病気でアトリエから動けなくなった晩年は、作品のかなりの部分がこのジャンルに費やされた。
1890年代以降、マネの静物画の主題にとらわれない絵画は革命的でさえあった。絵画の中の階層性を否定し、人物と同様に静物を重要視したマネは、確かにアカデミックなルールを破っていた。
また、セザンヌやモネと同様に、まばゆい白さへの好奇心を持ち、白いテーブルを「降りたての雪のように」描こうとした。

musée d’orsay 

ドガの自宅の、購入したマネの生ハムの絵

Paris, BnF, département des estampes et de la photographie

Edgar Degas («834-1957) Autoportrait 
avec Paul-Albert Barcholomé 1895-1897 Reproduction à partir d'un contretype

ゴーギャンの生ハム
マネが数年前に描いた「生ハム」と呼応するこの静物が描かれたのは、ゴーギャンがブルターニュに戻り、ポンタヴェンにほど近いル・ポルドゥに滞在していたときで、おそらくマリー・アンリの「Buvette de la Plage」にあったテーブルの一つで描かれているはずである。
ポンタヴェン派の特徴であるオレンジレッドの光に包まれた室内。光は、スライド式の内シャッターを大きく開けた窓から外(夕日)から入っている。

Buvette de la Plage  wikipedia 

お読みいただきありがとうございました。
マネの静物に対する真剣な気持ちが伝わる、とても小さな絵ですが上品な作品です。
ゴーギャンは野生的なスペイン風イベリコでしょうか。どちらもワインが合いそうですね。

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