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子供のためのオルセー美術館(29)モネの夏休み、海のホテルに行く/街灯はいくつ?

小さいお子様向け 街灯の数を数えましょう。

ここのかぜ、すごくいいんだ


ここは トゥルビル、うみがすぐのホテル

ね、
うみかぜって

いきおい

はたもあんなになるくらい
いいでしょ? うみのにおいだし


ここのおさまのひかりだって
うみからつたってくるから

パリのあのいろと ぜんぜんちがう

ムッシュはていねいにあいさつして

マダムたちもごきげんだ

ここは 気持きもちいいから

おしゃれなマダム
きっと
ミントすいと ロゼのワインをたのんでいるよ

うみちかくって こんなに いいんだ。

ぼくはこれからも、えるものを
にがさないようにはやくかく

そらくも
はたをあんなにする かぜも!



かぞえてみよう! 

ホテルの街灯がいとうはいくつあるかな?
フランスの街灯がいとうって

リボリ通 ルーブル脇

こういう電柱でんちゅう

チュイルリー公園脇


さあ、モネのなかには何本なんぼんあるかな?


ヒント
ここにもあるよ


こたえ


5ほん



Claude Monet
Paris 1840 - Givernv 1926
L'Hôtel des Roches Noires 1870 Trouville
クロウド・モネ
ロッシュノワールのホテル トゥルーヴィル

Sur les planches de Trouville
Collection particulière
トゥルーヴィルの海辺で 1870

1870年の夏、普仏戦争前夜、クロード・モネは、6月28日の結婚式の直後、若い妻カミーユとともにトゥルーヴィルに滞在した。オテル・デ・ロッシュ・ノワールである。若きモネに強い影響を与えたウジェーヌ・ブーダンの絵画の多くがそうであったように、トゥルーヴィルは第二帝政期のブルジョワジーの海辺の社交界を物語っている。しかし、この作品はまた、モネの筆致の独創性を明らかにし、この画家の技術的な大胆さを示す見事な例でもある。彼の急速でとらえどころのない筆致は、旗が震えているような印象を与え、輪郭のはっきりしない雲が散らばる空に活気を与えている。縦長の構図は、キャンバスの下部の人物の安定感と、風の影響を受ける上部の要素の動きの対比をさらに際立たせている。前景の国旗は、赤と白のストライプの選択で特に強調されており、非常に自由な筆使いで描かれている。

プルーストの「失われた時を求めて」はしばしばこの作品に関連して言及されるが、オテル・デ・ロッシュ・ノワールがバルベックのグラン・オテルのモデルのひとつであったとしても、モネの描いた情景は、少なくとも一世代は小説家のそれよりも前に描かれている。

musée d’orsay

参考
マルセル・プルースト 失われた時を求めて

お読みいただきありがとうございました。
モネの筆の勢いがこの海辺のホテルでの感動を物語っています。
休日のバカンスにくる人々の様子が少ない筆致で見事に描かれ、海の空気の動きまで感じられます。
1年前にルノワールと外の光を描くことを初めて見つけて、また、ブーダンのように海辺の人々を描くことを若い頃に受け入れた自らに感動している絵かもしれません。
お子様と、動く雲や旗の様子、街灯の数を数えながら、少しの時間だけ海のホテルに遊びに出かけてみてください。


モネとルノワール 新しい絵のはじまり/初めて光を描けた日 ↓


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