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ミシェル
2024年7月29日 14:28
万年筆に興味を持ったのは、中学生の頃だ。三度の飯より本が好きな文学少女だった私は、万年筆を、持っているだけで名作を生み出せるマストアイテムと勘違いしていたのである。ドラえもんの秘密道具か何かと錯覚していたのだと思う。鬼に金棒的なものというか。作家を夢見ていた私は小遣いを握り締めて近所の文房具屋に走り、インクを補充する必要のない万年筆を買った。『カクノ』に代表される入門万年筆がな