映画「建築学概論」

2020/07/20日記転記

(監督)イ・ヨンジュ/( 脚本)イ・ヨンジュ キム・ジヘ/ スンミン：ナム・テウン　(大学時代)イ・ジェフン　ヨソン:ハン・ガイン　(大学時代)スジ

　済州島に建築(リノベーション)されるソヨンの住宅を軸に繰り広げられる恋愛映画。

　彼らたちが自分たちの恋愛が未消化のまま終わってしまっていた大学1年時、互いが共通して受講していた「建築学概論」の課題時と現在を同時展開させるストーリーです。スンミンの現在勤めている設計事務所の所長との関係性がどこの国でも同じで少し面白かったです。所長+部長→所員という絶対的な縦社会でありながらも、まるでそれを気にしないかのようなスンミンです。また、学生時代も、現代も、ちょっとした無意識なレベルで見せるソヨンへの優しさです。屋外などで二人で話をするために座るベンチに、ソヨンを気にして、さりげなく自分のキャンパスノートを座布団として提供し、その関係性を当たり前のように受け取り、甘えているソヨンにギュッとした女子は多いと思います。あからさまな優しさよりも、こういった都度の見せる男性としての本質的な気遣いが出来る人はなかなか実際の世の中にはいないように思います。互いがすれ違いのまま、恋愛の課題として10年持ち越された回答は思いを伝えあい、住宅を作り上げるという形で終わります。青春の思い出のすっぱさが大人になって甘く苦くもなり、でもそれを咀嚼出来た結末でした。