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なすび

他の食材も該当するのを承知の上で、
茄子は汎用性の高い食材の一つだと思う。

和食だと焼きナス、煮びたし、お漬物。
中華だと麻婆茄子。ラタトゥイユなどイタリアンもいけちゃう。切りやすいし、癖もないから使いやすい。
正にオールラウンダー。愛され要素は満載だけど、さてオールラウンダーでいるのは良いことなのだろうか。

オールラウンダーの苦悩は、共感されにくいのではと思う。共感はおろか、むしろ妬みの対象かもしれない。様々な能力を発揮出来る人は少ないからだ。
はたから見ているとその能力は羨ましい。

茄子は人じゃないので意志はない。
料理されるがままだ。愛されようとしなくても、勝手に愛されて、いるだけで勝手に能力を発揮している状態。あるがままで、なすがままだ。(ダジャレ?)

「そんな勝手に嫉妬されてもしらないよ」と、オールラウンダー自身は思っているのかもしれない。

オールラウンダーにも様々いて、苦労して複数の能力を成立させている人。あれこれやることでバランスを取っている人。色々やった方が楽しい人などなど。
自分の役割の落としどころを模索しているのだろうか。

癖が強いと扱いづらい一方で、個性があって良い。何にでも染まれると、掴みどころやひっかかりが無い。
・・・茄子も、思い悩んだことがあるのかしら。人間のように。

「茄子を見てそんなこと考えてるのあなたぐらいでは」と茄子に笑われている気がする。

私もこうなるとは思わなかった。

創作の製作過程を覗きみて、楽しんでいただけたら。