【法学部生向け】 法学部で学ぶことと「就活」とか「働く」とか 優しさ編
こんにちは。
弁護士+大学院生+会社員のlotterです。
記事をのぞいていただき、ありがとうございます。
今回は、「法学部で勉強する内容」と「会社で働く」こととの関係を書いてみたいと思います。法学部で学ぶべきことについては、この記事で書いていますので、よろしければのぞいてみてください。
結論から言ってしまうと、就活の面接で「学生時代何を学びましたか?」と聞かれた際に、
「優しさ」と「表現力」です
と答えられるようになると、とてもステキだなと思っています。
そんなイメージで読んでみてください。
1.なにそれ?おいしいの?
「優しさ」なんて仕事で使うの?「コミュニケーション力」って言った方がまだマシなんじゃないの?しかも教わるようなことでもなくない?
「表現力」なんて、芸大生や音大生じゃないんだから、法学部なんて固そうな学部でそんなもの学ぶはずないじゃない。フィギュアスケーターですか?
と思われたアナタ!
まだまだ甘いですねー(偉そう)
では、今から法学の基本部分に触れながら、めくるめく論理の世界をちょっとだけ見ていきましょう(ただの言葉遊びともいう)。きっと何人かは、勉強の目的を「優しさ」と「表現力」に設定してくれると信じて。
2.優しさ?
「優しさ」とはなんでしょう?ある人はお金をくれる人を優しいと思うかもしれませんし、ある人は困っているときに助けてくれた人を優しいと思うかもしれません。また、動物と仲良くしている姿を見て、この人は優しいに違いない!と思う方もいるでしょう。
こんな風に人によって場合によって「優しさ」に対するイメージは変わります。しかし、法学ではそういったことはせず、「優しさ」の定義を決めようとします。
もちろん、それは、条文によって・立場によって、違ったりするのですが、何はともあれ意味を確定させます。法律にバッチリ定義が書かれていることもありますが、そうでない場合は解釈によって定義を明らかにします。
たとえば、民法177条の「第三者」は、「当事者及びその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者」と考えられています。
では、ここでの「優しさ」はどう定義しましょう?
労働契約の特徴として「組織的であること」が挙げられます。これは、ざっくり言うと、
同じ組織の中の誰かと関わりながら一緒に働く
とイメージしていただければいいかなと思います。
そのために必要なことは、
自分以外の「誰か」の立場や考えや状況を理解すること
です。その理解があるからこそ、みんなそれぞれ全く違う「誰か」でありながらも、組織の目的のために力を尽くすことができます。これが単に「馴れ合う」とか「がまんする」とかを意味しないことは、別の記事で書こうと思います。
さて、どうでしょう?他人を理解するというのは、「優しさ」の種類のひとつに含んでもよさそうではないですか?ですよね(強引)?
そうと決まれば次は、ここでの「理解する」とはなんなのか。それが問題です。
いわゆる「共感」のような意味もありますが、どちらかといえば、
道理がわかること
がここでの「理解」の内容だと思います。
組織における立場などの違いは、無意識的な部分が多いにも関わらず、割と大きなものです。それを感情的に表したり理解したりしても、解決に至らなかったり、深い溝が残ったりします。
なので、感情は感情として「尊重」しながらも、
問題の本質を捉え、噛み合った議論をし、
具体的な解決策を出すために、
道理(論理)で話をする
役目が必要です。
これは、言語によるコミュニケーションにおいて避けては通れない「感情や表現の仕方による誤解やエラー」を極力減らすことにつながります。
3.優しさと法学
ここまでの話は、「相手を理屈で理解する」ということです。こう書くと血も涙もないヤツと思われるかもしれませんが、ビジネスではそれが「優しさ」のひとつになることは先の通りです。
では、法学部とどう関係するのでしょうか?
冒頭にご紹介した記事で書きましたが、法律的な「勝ち負け」が確かにあり、誰かを勝たせるためには誰かを負けさせなければなりません。そして、負けた側が「納得いかないけど、反論は難しい」と思ってくれる程度には、論理的な理由付けが必要です。
法学部ではまさにそのための思考を学びます。そのときには、ある特定の立場からだけではなくて、
その立場に反対の考え方を含め、
色々な立場からの立論と議論
を学ぶはずです。
たとえば、よく見かける、
判例はこう!通説はそれに反対!
判例を評価する説もある!
みたいなパターン。
このときに、「実務は判例だから、判例だけ覚える」というのは少しもったいないということです。
資格試験対策的にはそれが正解ですが、
どういう理由で判例に反対しているのか、
それでもなぜ判例はその立場なのか
を知ることで、そこにある問題の本質だったり思考だったりを「理解」することができます。そして、それを繰り返すことで、
違う立場を論理的に理解する力
が養われていくのです。唯一正しい答えはないのが法学だと思いますが、だからこそ「相手を説得できるか」を目指して論理を展開するので、教材としてはうってつけだと思います。
3.まとめ
長くなってしまった・・・
表現力のお話はまた次回ということでお許しください。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回ものぞいていただけるとありがたいです。
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