見出し画像

シフォンケーキの作り方

先日Kindleでシフォンケーキのレシピブックを刊行しました。
「家にある材料で作れるふわっふわのシフォンケーキ」
Kindle Unlimited会員だと無料で読めます。

元はというと、私のレッスンを受けてくれた方のために作ろうと思った本です。
シフォンケーキの講座を受けていただいた方からは「ふわふわのシフォンケーキが作れるようになった」というお声をたくさんいただいたのと同時に、具材を入れるには?味を変えるには?などアレンジについてのご質問もいくつかありました。
そこでもっといろんなシフォンケーキが作れるように、講座の復習と応用のためにシフォンケーキの基本的な作り方とバリエーションを一冊にまとめたものです。
でも基本のシフォンケーキは作る過程とその理由を詳しく書いたので、初めて見る方でもふわふわに作れる内容になっていると思います。

この記事は、私がやっているシフォンケーキのレッスンを文字起こししたものです。
シフォンケーキが上手くいかないという人はとても多いのですが、その原因の大部分がメレンゲです。
だからシフォンケーキのレッスンと言っても、メレンゲについての説明に多くの時間を費やしています。
本にも作り方は詳しく書いてあるのですが、レッスンでは、
・いつも失敗している人でも作れるように泡を潰しにくい配合にして
・メレンゲの作り方をかなり掘り下げた
内容にしています。
このメレンゲの話はシフォンケーキに限らず、他のメレンゲを使うお菓子にも必要な知識なので、知っていればお菓子づくりが確実にレベルアップします。
この記事には手順の動画もついているので、シフォンケーキが上手くいかないという人にはぜひ読んでいただきたいと思います。

シフォンケーキの話

シフォンケーキとは

シフォンケーキは、中心に穴の空いた型で焼いたアメリカ生まれのお菓子です。
とても軽くてふわふわの食感から、シフォン(=絹)ケーキと名付けられました。

シフォンケーキの作り方

シフォンケーキの生地は、卵白と砂糖を泡立てた「メレンゲ」と、それ以外の材料を混ぜ合わせた「卵黄生地」を混ぜ合わせて作ります。
材料は卵・砂糖・水分・油・小麦粉と、構成要素としては一般的なスポンジ生地と同じです。
卵白を卵黄とは別に泡立てるので、シフォンケーキの生地は別立て法で作ったスポンジ生地とも言えます。

シフォンケーキと他のスポンジ生地の違い

シフォンケーキが軽くてふわふわなのは、
・固く泡立てたメレンゲを使っている
・水分が多くて粉が少ない
・油分をバターではなく植物性油脂を使用している
のが理由として挙げられます。

-固く泡立てたメレンゲを使っている
ジェノワーズの記事で書いた通り、別立て法で作ると固く泡立てることができるため、空気をたくさん含んだボリュームのある生地を作ることができます。
また別立て生地は卵黄+メレンゲに粉を入れて最後にバターといった順番で混ぜることが多いですが、シフォンケーキは他の材料を全て混ぜ合わせて最後にメレンゲを入れるので、メレンゲを入れた後の混ぜる回数が少ない分、潰れる泡が少なくてすみます。

-水分が多くて粉が少ない
泡立てる系の生地がオーブンの中で膨らむのは、生地中の空気と水分が熱膨脹して周りの生地を押し広げるからです。
だから空気はもちろん、水分が多い生地は大きく膨らみます。
ほとんどの空気はメレンゲの中に抱き込まれているので、シフォンケーキはメレンゲと水分が多いほどよく膨らむ=ふわふわになります。
メレンゲのもとである卵白は大部分が水分なので、「卵黄3個分と卵白4個分」だったり「Lサイズの卵4個」のように、卵白が多めの配合が一般的です。

膨らんだ生地を支えるのは小麦粉ですが、粉が少ないほど骨格が少ないので、柔らかくて軽い生地になります。
でも骨格が少なすぎると生地を支えることができず、焼き上がりが大きく萎んでしまうため、ショートケーキ用のジェノワーズなどは形を保つためにある程度の量の粉を入れる必要があります。
その点シフォンケーキは型に油を塗らず、あえて生地が型にくっつくように焼いてそのまま冷ますので、通常なら大きく萎んでしまうような配合でも型の支えによって形を保つことができます。
ただしいくら型に張り付かせて焼いても、粉で支えきれないほどの水分量だと焼成後も形を保つことができないため、水分と粉の量のバランスが大事になってきます。

-油分をバターではなく植物性油脂を使用している
ジェノワーズではコクを出すためにバターを使用することが多いのですが、シフォンケーキは植物性油脂を使うことが大きな特徴です。
溶かしバターは温度が高いとサラサラですが、温度が低いととろみがあります。
シフォンケーキにバターを使うと、
・ぬるい溶かしバターは分散しにくい=混ぜる回数が増える=泡を潰しやすい
・熱すぎるバターは泡を壊しやすい
・冷たいメレンゲと混ぜた時に一部が固まってしまうことがある
というふうに、泡を潰したり均一に行き渡らなかったりします。
また溶かしバターを使っても、出来あがったシフォンケーキが冷えるとバターは固まるため、少し固い食感になります。
一方常温でも液状の植物性の油を使うと、生地に分散させやすく、冷えても固くならないので、ふわふわの仕上がりにすることができます。
バターでもできなくはないですが、生地温が低くなりすぎないようにする必要があり、泡も壊しやすいので、難易度は高くなります。

シフォンケーキを作る上で大事なこと

シフォンケーキで一番大事なことは、しっかりしたメレンゲを作り、その泡を潰さずに卵黄生地と混ぜ合わせることです。
膨らまない・焼き上がりに大きな穴があくなどの失敗の多くはメレンゲによるものです。
シフォンケーキはペーストや具材を入れて様々なアレンジが楽しめるケーキですが、メレンゲの泡を潰さないよう、追加する副材料は全て卵黄生地の方に入れて、最後にメレンゲを合わせます。

卵黄生地は全ての材料を混ぜ合わせるだけですが、水と油が分離した状態でメレンゲを合わせると、出来上がったケーキに大きな凹みができることがあります。
卵黄生地をきちんと乳化させることも大きなポイントです。

材料の話

このあとメレンゲのところで詳しく言いますが、なるべく新鮮な卵を使った方が丈夫で泡が潰れにくいメレンゲができます。
水分量が数g違うだけで仕上がりの食感は結構変わるので、卵は個数ではなくgで計るようにします。
特に個数で書いてあるレシピで作る場合は、MサイズとLサイズだと1個あたり卵白の量が約10g違うので、レシピと違うサイズを使うと焼き上がりが固かったり形を保てなかったりする場合があります。

植物性油脂

ここでは安価で手に入りやすいサラダ油を使っています。
サラダ油を使う場合、原材料に「乳化剤」が含まれているものは泡を潰しやすいので、慣れないうちは避けてください。
成分や旨味にこだわりたい方は、常温で液状のものなら他の食用油でも概ね作ることができます。
グレープシードオイル・太白ごま油・こめ油などは強い香りや風味がないため、抹茶やココアなどのプレーン以外のシフォンケーキを作る時にも使えて便利です。

続きをみるには

残り 14,035字 / 64画像

¥ 850

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?