どこよりも詳しいスポンジケーキ(ジェノワーズ)の作り方
私のオンラインレッスンで、1番興味を持たれる方が多いのが「ふわふわしっとりなジェノワーズ」の講座です。
受講される方も、初心者〜ある程度お菓子を日常的に作られる方まで様々です。
ちょっと検索すればスポンジケーキの作り方なんていくらでも出てくるのに、それでもうまくいかない人が多いのは、1つ1つの作業の意味を理解していなくてなんとなく作業している場合がほとんどです。
そのため私のレッスンでは、それぞれの作業の理由をお伝えするのを中心に進めて、それを確認するためにその後一緒に作ります。
だからほとんどが座学で、一緒に作る時間は20分ほどです。
今回は、時間がなくてオンラインレッスンを受けられない方のために、その座学の内容を文字に起こしました。
基本のジェノワーズの作り方だけでなく、材料や型の選び方や、ココア生地にする場合、丸型以外で焼く場合などジェノワーズに関することを盛り込みました。
最後に作業中の動画もつけているので、ぜひマスターしてほしいと思います。
作り方による仕上がりの違い
主な作り方
一般的なスポンジケーキは卵・砂糖・小麦粉・バターからできています。
卵と砂糖を泡立て、そこに小麦粉を混ぜるとスポンジ状の生地になりますが、しっとり感や風味を出すために最後にバターなどが入る場合が多いです。
スポンジ生地の作り方は、卵の泡立て方によって主に2通りあります。
・共立て法=全卵を泡立てる方法
・別立て法=卵黄と卵白を別々に泡立ててから混ぜ合わせる方法
泡立てる時に卵を卵黄と卵白に分けるか分けないかの違いです。
共立て法と別立て法の仕上がりの違い
卵は油が入っていると泡立ちにくくなります(卵黄の1/3は油分です)。
そのため、以下のような特徴があります。
共立て法
→泡立ててもボリュームが出にくく、個々の泡が小さい。
流動性のある生地。
きめ細かくしっとりした仕上がり。
別立て法
→卵白は大小たくさんの泡ができてしっかり泡立つ。
混ぜ合わせ具合によっては絞れる固さの生地。
きめが粗く脆い仕上がり。
つまり「きめ細かくしっとり」したスポンジケーキを作りたい場合は、別立てではなく共立てで作ります。
別立てよりはボリュームは少ないものの、共立てでも基本の作り方を押さえればふんわりした仕上がりになります。
別立て法は、あえて空洞の多い粗い食感にしたかったり、生地を絞りたい場合に使います。
この共立て法で作るスポンジ生地のことを、フランス語でPâte à génoise(パータジェノワーズ=ジェノワーズ生地)と言います。
別立ての場合はジェノワーズとは言わずビスキュイと言います。
この記事では共立て法で作る「ジェノワーズ」を作っていきます。
材料の話
卵
卵は温めると泡立ちやすくなります。
ジェノワーズでは全卵を泡立てるので、冷たい状態だとあまり泡立ちません。
だから全卵を泡立てる時は、温めてから泡立てる必要があります。
その代わり温かい状態だと泡は大きくて安定していないので、潰れやすくなります。
ちなみに卵白だけだと油分が入っていないので冷たい状態でも泡立ちます。
温めると逆に泡立ちすぎて粗い泡になってしまうので、あえて冷やしてから泡立てます。
今回のレシピではMサイズの卵を使っています。
Mサイズ1個=50g=卵黄20g+卵白30gという計算です。
つまり全卵100g=卵黄40g+卵白60gです。
レシピにMサイズとあるのにLサイズの卵を使ってしまうと、100g使ったとしても卵白の割合が多くなり、膨らみは大きくなりますが味が薄くなります。
レシピと違うサイズの卵を使う場合は、卵黄と卵白を別々に計量した方が仕上がりにブレがありません。
砂糖
生地に砂糖を入れると以下のようになります。
・しっとりする
・泡が安定する(壊れにくい)
・泡立ちにくくなる
・澱粉の老化を防ぐ(出来上がりが冷めても固くなりにくい)
砂糖がたくさん入る配合ほど、これらの効果が高くなります。
(例えば砂糖が少ないレシピでは、軽くて泡立ちやすいけど、できた泡は壊れやすくて、仕上がりはパサついて固くなりやすい。)
ここではグラニュー糖を使っていますが、上白糖・三温糖・きび砂糖などの他の砂糖でもできます。
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