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ミミズクのホーホーさん星を狩る 【物語】

ミミズクのホーホーさん、止まり木で何かを待っているご様子。

「今宵は流星群がやって来ると聞いたんだ。それも特別な」

どうやら彼は、獲物を狩るかわりに、降ってくる流れ星をキャッチするつもりらしいのです。

「いよいよだ!」

さあ、天体ショーのはじまりです!
色とりどりの星達が、空から降ってきましたよ。

「なんて美しいんだろう………いや、うっとりしてる場合じゃないぞ!それい!」

ホーホーさんは鋭く滑空し、地上に落ちるスレスレのところで、流れ星を捕まえます。
何度も何度も、何度も繰り返していくうちに、ホーホーさんの森は集めた星達で輝き出しました。

すると、その明るさに目を覚ました森の仲間達がホーホーさんの元へ。
みんな色とりどりの星を見て、

「朝じゃないんだ。お星さまがこんなにたくさんいるよ」
「全部、ホーホーさんが取ってきたの?」
「うわぁ、宝石みたいだね」

と、目を輝かせました。
ホーホーさんはみんなのうれしそうな様子を眺めてから、その星をひとつ足で掴んで言いました。

「みんな、よくごらん。星の一つ一つには言葉が閉じ込められているよ」

そう!今宵の流星群はいつもとちと違う。
星のカプセルをパカッと開けてみると、そこからはポロロンと言葉がこぼれてくるのです。

『きみ』『森』『うれしい』『幸せ』などなど、それらは動物も人間も境を越えて理解することができる不思議な言葉星ことばぼしでした。

少し離れたところにいたトラさんが、後ろ足を引きずりながら進み出ました。

「ホーホーさん。その星、ぼくに分けてくれないかい?ぼく、ある人に伝えたい言葉があるんだ」

ホーホーさんはホッホッと笑顔で答えました。

「もちろんだとも。最初からきみに使ってもらうつもりだったのさ」

明け方、森の近くにある可愛らしいお家の窓を、コマドリがコツコツとくちばしで叩き、そこの住人を起こしました。

「おはよう、コマドリさん。ずいぶんと早起きさんね。あら?ミミズクさんも。それは何?」

ポワンと光る星のカプセルを窓辺に置いたホーホーさん。つついて女の子に開けるよう知らせます。
女の子は頷き、不思議な形のそれを少々手こずりながらもパカッと開封しました。

その瞬間、中からキラキラ光る言葉達が躍り出て来たではありませんか!

『きみが いてくれて ありがとう 
 きみの ハート お星さまより 輝いている 
 きみが ぼくの 幸せ   森のトラより』


「まあっ!トラさんが?トラさんはいまどうしてる?」

すると、森の入口でこちらを見守る影が、ゆっくりとその場で回ってみせました。

「トラさん!よかった、元気でいるのね。私もあなたが大好きよ!」

だんだんと空が太陽を迎えます。トラさんは女の子と見つめ合ったあと、そっと森へと帰ってゆきました。


「ありがとう、ホーホーさん。ちゃんと彼女に伝えられたよ」

実はトラさん、人間の仕掛けた罠に脚を取られているところをあの女の子に助けられ、傷が塞がるまでの間、ずっと介抱してもらっていたのです。

「後ろ足はまだ疼くかい?」
「どうってことない。彼女のおかげで今こうして命がある」

お家にトラがいることが周囲の人間に知れるといけないので、歩けるまでに回復したトラさんは、彼女を守るためにも密かに家を出ていったのでした。


「走れるようになったら、彼女を背中に乗せて、次に訪れるの流星群を見に行くのが、ぼくの新しい生きる理由だ」

ホーホーさんは、その日はそう遠くないぞと思いました。
愛する存在を持つものは、どこまでも強くなれる。ということを知っていたから。


~ fin ~


最後まで読んでいただき、ありがとうございました🍀

Marmaladeさんが昨年企画された『見つけたよって言ってみる』でのご褒美を頂き、そこにあまりにも可愛いミミズクさんの絵があったので、お礼の気持と喜びを込めてこのお話を書かせていただきました🙇✨
女の子とトラさんのモデルはもちろん…🤭💓でございます。

頂いてからずっと考えていたお話、やっと形にできました😹
素敵なプレゼントをありがとうございました😊💖

Marmaladeさん、新しい挑戦をされておりますね🎵
あの可愛い子ちゃん(ぬいぐるみ)達がまた誰かを幸せにしているのですね!

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