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金木犀とキンモクセイ

秋の抜けるような青空に映える橙色の小花、金木犀。

歩いていて地面を見ると、金木犀の花溜まりができていて、ああ、このお宅にも金木犀が植わっているのねと気づく。
わりと街路樹としても植えられていて、排気ガスに葉や花をくすませつつも健気に咲いているので、その姿に胸がキュッとなったり。


そういえば…大学の某学部にシンボルツリー的な大きい金木犀の木があったことを思い出した。

春夏の間は「この木、何の木だろう?」とすら考えず、気にも留めていなかったのに、秋になると小花が降ってきて、校舎の中まで芳香剤のように強く香り、橙色の存在感をしめした。
「わたしのお母さん、金木犀の花大好きなんだ」
と、誰かが話しているのが聞こえた。

金木犀という名前がロマンチックだし、お花も可愛くて好きだけど、私は正直、匂いの方は微妙だなと思っていった。

そしてつい先日、線路脇の駐車場に植わっている金木犀と青空のコントラストがあまりに綺麗だったので、写真を撮った。

まだ小花もそれほど落ちていなくて
花盛りの金木犀
その金木犀のバックには
紅葉した花水木が赤い実をつけている

少し鼻を近づけて、匂いを嗅いでみた。
清々しい気品のある香りがした。ものすごく好き!とはならなかったが、良い匂いだと思った。

思い起こすと、大学の金木犀は高さ十メートルはあろうかという巨木で、よそのお庭で見かける金木犀の大きさとは一線を画していた。
はじめ、金木犀だとわかっても、にわかには信じられないサイズだったのだから。

その金木犀が花盛りとなり、風に乗って窓からくっきりとした匂いが吹き込んでくる。どんなに香りが良くても、何事もほどほどがよいのだなと頷いた。

とはいえ、あの大きな金木犀の木を目指して広い構内を走ってゆく時間が、私は好きだった。その学部での講義を受けるときしか訪れない校舎で、部活でしか会わない先輩や友人とすれ違うと、いつもと違う新鮮なうれしさがあったからかもしれない。


🏵️ 🏵️ 🏵️


さて、この時期、金木犀の名前をよく耳にするので、こちらのキンモクセイも一緒に思い出す。
バンドのキンモクセイである。


学生時代、『二人のアカボシ』がヒットして、私もその透明感と清涼感溢れる歌声に魅了された。
最近また無性に聴きたくなって、ブッ◯オフでアルバムを探し回り、やっと見つけた。

車で聴きたかったので、CDである必要があった。
なぜって?
音楽配信を利用して軽やかに音楽を持ち歩くのを未だにできていないアナログな私は、円盤派。

ちなみにキンモクセイの『七色の風』も爽快感抜群で、聴いていると三◯矢サイダーが飲みたくなる。


キンモクセイはオールシーズン楽しめるが、あえて今、金木犀の季節にキンモクセイを聴いて、やっと訪れた感のある今年の秋を愛でようと思う。


~fin~

最後まで読んでいただき、ありがとうございました🍀

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