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大きなコブシの木の下で

いつものさんぽコースの途中にあるコブシの木。
少し前までは、フワフワ産毛の蕾だった。
コブシはハクレン科(←すみません!正しくはモクレン科です。※3/26訂正)の落葉樹で、春を感じはじめる今の時期に花が咲く。

小さい頃住んでいた家の庭には、大きなハクレンの木があった。
白木蓮(ハクモクレン)とも言うのだが、毎年、たくさんの白い鳥達が枝に留まっているかのように咲いていた。

その白木蓮よりもさらに大きいコブシの木を見上げる。
花は白木蓮と似ているが、コブシの方が小振りで一重咲きに見える。

頭のなかで連想ゲームが始まる。

白い花の咲く大きな木といえば、思い浮かぶのは、『赤毛のアン』が暮らすグリーンゲイブルスという緑の切妻屋根の家の前にそびえる林檎の木。
アンの部屋から見えるその林檎の木を、アンは“雪の女王さま”と呼んでいた。

『赤毛のアン』を私に教えてくれたのは母だった。
子どもの頃、原作本より先に名作劇場のアニメから入った。
村岡花子訳の『赤毛のアン』からあらゆる関連本まで読み尽くしている母ほどではないが、自分もアンを愛するひとりである。

母とは大人になってから、物語の舞台であるプリンスエドワード島を訪れた。
母子で喜びのあまり涙目になりながら、アンの世界をいつでも思い出せるよう心に刻んだ。

将来の夢は、母にグリーンゲイブルスそっくりのお家を建ててあげることだったが、それはまだ夢のまま…というか夢のまた夢というか…。

自分より先に母の方が、グリーンゲイブルス(模型)を完成させてしまった。


そういえば、こんなご時世で実家の母とは一年以上顔を合わせてないな、と連想ゲームの終わりに思う。

母もきっとアンのように想像力を働かせて、つらいことがあっても好きなことを見出だしているんだろうな。
ああ、会いたい。

大きなコブシの木の下で、感傷に浸って締めくくろうとしたけれど、

…にしてもコブシって響き、ゴツいな。


などとどうしても思ってしまう、「せっかくのロマンもノスタルジーも台無しだわ!」とアンに嘆かれそうな我がマインドであった。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました🍀
あなたの心にも花が咲きますように🌸

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