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弘明寺ひとり旅

今回の地元遠足(?)は、弘明寺ぐみょうじ(横浜市南区)。この名が付いた駅は二つあり、一つは横浜市営地下鉄の『弘明寺』駅。もう一つは京浜急行電鉄の『弘明寺』駅です。
目的地の弘明寺まで、前者からは徒歩5分、後者からは徒歩2分。また、僕の家から最も近い各鉄道駅で乗車した場合、往復運賃に120円の差があります。

そんなわけで、自宅を出発したのち京浜急行に乗り、『弘明寺』駅で下車しました。浮いた120円は賽銭箱に入れることにしましょう。

初☆弘明寺
KEI☆KYU
何度見てもいいなぁ、赤い電車… どうして横浜市営地下鉄は赤くないんだろう…
人は線路に立つと、なぜこんなにも興奮するのか

しばらく電車を眺めたり、踏切を行ったり来たりしたのち駅から2分ほど歩くと、1044年に開山*された弘明寺ぐみょうじに着きました。

*開山: 寺院を創始すること

仁王門におうもん
江戸時代に再建され、2002年に改修工事が行われたそうだ。

仁王門左右の金網には、13世紀後半、早期運慶を遵守する鎌倉仏師によって作られた、神奈川県に現存する最古の金剛力士像(2001年改修)が閉じ込められています。

口を閉じている吽形うんぎょう
口を開けている阿形あぎょう

仁王門をくぐり、境内へ続く石段を上がっていく途中に地蔵菩薩アンドレアの推しがいました。

身代地蔵菩薩みがわりじぞうぼさつ
2001年に、京浜急行電鉄会社創立100周年を記念して奉納された。身体の悪いところと同じ箇所をタオルやハンカチでさすり祈願することで、自身や家族の体を癒してくれる、とのことだ。

石段をのぼりきると、本堂がありました。

本堂(写真中央の一番でかい建物)
弘明寺の開山は1044年だが、現在の本堂は1766年に再建され、1976年に改修されたそうだ。内部は撮影禁止とのことだったので、写真を撮ることはできなかったが、平安時代中期に作られたなた彫り*の十一面観世音菩薩立像(またの名を弘明寺観音)が祀られている。

*鉈彫り: 丸ノミの彫りあとを、像表面に横縞状に残す彫り方

境内には、本堂と本尊以外にも見るものがたくさんありましたが、その中でも自分が特に気に入ったものをここに載せておこうと思います。

小さくて可愛らしい地蔵菩薩的な石の仏像(?) でも、この写真、アンドレアに見せたらすげぇ顔するだろうな… 台座の図像が…
服をいっぱい着せてもらえてよかったな
手水舎ちょうずやのフクロウ
手水舎のゾウ。フクロウ、ゾウ共に人感センサーで水が出るようになっている。

一通り境内を見て回ったあと、本堂に併設されているショップでおみくじを引くことにしました。

おみくじ以外にも色々売られている

私事ですが、来年の正月は日本にいないので、実質、今回引くやつが2024年の運勢です。

いざ、尋常に勝負...!


ふざけんなよ


...でも、一首詠めました。


賽銭これあげねぇ
悟り求める
その前に

世渡り学べ
秋の昼前


...なんてね。

実は、僕はここ数日、悩んでいたのです。
今年も残すところ、あと2か月。そろそろ来年の目標でも立てるか...と思っていた矢先、いとも簡単にやりたいことが見つかりました。
ですが、それをやり遂げるためには、かなりの困難が予想されるのです。
毎年、自分自身の成長に繋がる何かを見つけて取り組んでいますが、来年はやるべきことがたくさんあります。よりによってそのような年の目標にを掲げるのはどうなのか...
しかし、聖観音菩薩にこんなことを言われたら、やる気に火がついてしまいます。

それに、やっぱりすげぇかっこいい...

別にモノにならなくたって困るわけじゃないし、今年の目標だったイタリア語詩だって自分の中ではそれなりになんとかなったんだから、もしかしたらもしかするかもしれないよね...

よし。

打倒、夏目漱石!


参考図書
・歴史散歩⑭ 『神奈川県の歴史散歩㊤ 横浜 川崎 北相模 三浦半島』(山川出版社)
・地球の歩き方 御朱印シリーズ『御朱印でめぐる 神奈川のお寺』(ダイヤモンド社)

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