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【旋頭歌】洪水

全てを飲み込んだ洪水から早一年...

氾濫した川のそばにある門のかたわらに、こんなのが作られた。夜に見たら絶対怖い。ここ、家出するときに必ず通らないといけない場所なんだけど…

ところで、うちの36歳児は、大雨や川の水かさが増すのを見るのが大好き。「洪水」というタイトルで旋頭歌を作ろう、と提案してきたのも彼なのだ。

ファーストネーム*****ことアンドレアは、「5種類作ったから好きなのを選んでいいよ!」と大はしゃぎ。その直後ビデオ通話を繋ぐと、彼は神妙な面持ちで「今からちょうど一年前に悲劇が起きたってブログに書くんだよ…」と言った。

この中[↑]からひとつ選んで下三句を詠み始めると、「5つ作ったけど、写真と関係があるのは最後の2つだけだね...」と、ふいに気にする36歳児。

そんなこと心配しなくていいんだよ。僕に任せとけ。


Sedoka alluvione

Scesa dal cielo
Ha spazzato via tutto
La pioggia maledetta

Spalano in fretta,
quando il paese è asciutto,
il fango come un velo.

(日本語訳)
空から降り
全てを流し去ってしまった
忌々しい雨

町が乾いたら、
ヴェールのような泥を
急いですくい出す。

押韻:ABC CBA

上三句: アンドレア M.
下三句/訳: ローリス M.

泥だけを 残して去った 走り梅雨
(季語:走り梅雨[初夏])

な。ちゃんとカバーできただろ。詩でもリアルでも、もっと僕のことを頼りにしてほしい。

240519


写真撮影:アンドレア M.