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先が見えなくなったあの頃③

※今後仲良くなったお客様を仮に“Nさん”とする。


ある日、Nさんにいつものように晩飯に連れてってくれた。
いつもNさんの車で行くのだが、帰りは自宅の前まで送ってくれ、降りる前にちょろっと会話をして自宅に入るのがお決まりの流れになっていた。
そしてその日も自宅の前まで送ってくれて、降りる前にちょっとした会話をしていた。
そして、気づいたら今の自分の状況や状態、それに対しての愚痴をこぼしていた。それをNさんはただフロントガラスの外を眺めながら黙って聞いてくれていた。そして何故か止まらない愚痴を一通り言い終えて、Nさんはそのままの体勢でボソッと話し始めた。

「…それは多分、スランプじゃないよ。その域を超えてるよ。それはもう何かが溢れ始めてるね。病院で診て貰った方が良い。後で詳しい内容LINEするからさ。」

そして自宅に戻った。
この時点でまた更に状態は悪化していた。
職場では簡単な指示しかされなくなり、降格になった。
私生活も荒れ始めた。
とうとう家事全般に全く手付けられなくなったり、晩飯も何が食べたいのか分からなくなり、同じコンビニ弁当しか食べなくなった。調子の良い時は近所のラーメン屋に行く程度。
また、公私共に異様にトイレが近くなって毎日ズボンにちょっとだけ滲みが出るぐらい漏らしていたり、毎朝毎晩よく嘔吐していた。
そして、常識も礼儀もかなり欠如しちゃってたと思うし、物事の正常な判断が出来なくなっていた。
ただ、風呂、歯磨き、洗濯(頻度は激減したが…)だけは時間が掛かってでもなんとか出来ていた。あと、これは後になって自分でもゾッとしたのだが、病的な程臭いを気にするようになり、海外の濃いめの芳香剤を部屋に置き、更にお香を焚き、柔軟剤も海外の濃いめの香りがするやつを使い、当時流行っていたガーネッシュっていうお香の香りがするボディソープを使い、そこから更に香水を付けていたのだ。あの時、周囲は自分からどんな匂いを感じていたのだろうか…。


家族や周囲からは「甘えんな!」って言われるかも知れないけど、もしかして限界に近づいてる…?

そんな中、Nさんに言われた事に対して感情がワケ分かんなくなっていたのを覚えている。
自宅に着いてからどのくらい時間が経っただろう。その間、何をしていたか覚えてないが、NさんからLINEが来た。

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