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旅の始まり

初めて自分でチケットを手配し、1人で2か月間の旅に出たのだけれど、その行先はペルーとキューバだった。2005年の2月。今夜は何食べよっかなー。なんか酸っぱいサラダとピザがいいかなー、みたいなノリで、ペルーとキューバにしよ。って決めた。一瞬で決めてからは迷うことなく、エアチケットを手配して、あるものまとめて出発の準備。

あの頃の私は、なんて身軽だったんだろう。あの当時でさえ気が付かなかった。

新しく買ったのは、パスポートケースと、トイカメラのフィルム、地球の歩き方、スペイン語の辞書。あとは家にあるものバックに詰め込んで、的な。今ならもっと快適な旅目指していろいろ買いにいっただろうなー。雨降った時と寒い時用にアウトドアブランドのレインコート、とか、街歩き用に疲れない靴、とか。でも、その頃の私は、おしゃれに快適に旅するとかどうでもよくて、ただ無事に目的地に着き、ただ無事に帰ってくる。これが私のミッションだった。

高校生のときから使っている大きめのバックパックに、お気に入りのジーンズ。地球の向こう側は夏なので、念のための防寒着とよくある透明のレインコート、最小限の洋服。白色のコンバースはいて、ビーサンをバックパックの横に差し込んで。なんてミニマムで効率的な荷物なんだろうか。足りないものは買えばいいんだ、と思ってたし、そもそも初めての海外旅行に何が必要かわからない。命とパスポート、クレジットカード。これでどうにかなるだろ!と成田空港へ向かう。とてつもなく長い空の旅を楽しんで、トランジットもしちゃったりして、やっとついたリマは夜中の2時だった。わかっててとったチケットだけど、わかっていなかったのは夜中の2時の怖さ。最低限の人しかおらず、ベンチで寝たら瞬間に何かなくなりそう。初めて嗅ぐ匂い。意味不明の言葉。せめて、昼間に来ればよかった!とどうしようもない後悔をしながらも、でもやっぱり、一つ目の目標はクリアできてうれしい。

無事、目的地に着けた。(まだ空港だけど)

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