賃貸ポータルサイトで代表物件を取って反響を増やす3つのポイント

賃貸ポータルサイトで反響UPする3つのポイント

賃貸不動産会社にとって、新規入居者獲得の際に重要なチャネルとなる不動産情報サイト(ポータルサイト)。ここ数年、HOMES(ホームズ)やSUUMO(スーモ)と言った大手サイトを中心に爆発的に掲載物件数が増え、不動産会社にとっては年々反響が取りにくくなっていると言われています。そんな中でも反響を確実に獲得するための主なポイントを3つご紹介します。

・他社との競合掲載を避ける

・他社よりも目立つように掲載する(代表物件を取る)

・入居時のメリット、デメリットを伝える

簡単すぎて「そりゃそうだ」と言われてしまいそうですが、実際のところ何をしたら良いのか、詳細に解説していきます。

他社との競合掲載を避ける

自社の広告と他社の広告との違いを確認する

管理会社が広告掲載する際にありがちなのが、ポータルサイトへ物件情報を登録・掲載して終わってしまうこと。よほどオリジナリティがあって”引きの強い”物件ならまだしも、そうで無い一般的な(大多数の)物件は他社が掲載している物件と似たり寄ったりなはず。似たり寄ったりな物件を同じように掲載しても、目の肥えた消費者からは選ばれません。周辺環境情報やありきたりな設備など、他社物件と比較して、些細な情報でも抜けていることが無いかしっかり確認し、漏れなく登録しましょう。

他社と物件が重複掲載しないようにする

HOMES(ホームズ)やSUUMO(スーモ)と言った大手ポータルサイトでは、同じ物件広告を複数の会社が掲載していた場合、物件ごとに一つの情報としてまとめて表示する「名寄せ」という処理をシステム的に行っています。「名寄せ」のルールはサイト毎に異なります(詳細は後述します)が、基本的には物件情報を多く登録した会社の情報のみが検索結果一覧上に表示され、相対的に情報量の少ない会社の情報は表示されません。

勘違いされている方、特に元付会社に多いようですが、このルールは取引態様に関わらず適用される事に注意が必要です。元付物件や貸主・代理物件でも、他社が同じ物件を掲載し、尚且つそちらの方が物件情報が多いとみなされると、他社の情報が優先的に表示されます。消費者により多くの情報を届けたいポータルサイトにとってみれば、掲載会社の業態・取引態様よりも、借り手にとって必要な物件情報が多く載っている方の広告を優先的に表示するのは自然な話と言えるでしょう。

他社の掲載状況に関心が低い会社の場合、悪質な会社によって無断で広告掲載をされ、そちらの掲載が優先的に表示されてしまうという事態も起こり得ます。他社がどんな物件を掲載しているのかは常にチェックするようにしましょう。

検索結果画面で他社よりも目立つ(代表物件を取る)

ポータルサイト「名寄せ」とは

HOMES(ホームズ)・SUUMO(スーモ)では、複数社の掲載物件が重複した場合、相対的に評価が最も高い広告(代表物件)だけが検索結果一覧上に表示されるようになっています。最も高い評価を受け、検索結果一覧上に物件が表示されていることを「代表物件が取れた」と言います。

また、物件名を消費者に向けて表示している広告の方が、していない広告よりも優先的に表示されるようです。物件の登録内容・検索方法によっては、物件名を表示させていないだけで検索画面にほとんど出てこないケースも確認されています。名寄せ以前の話ではありますが、掲載順位のロジックの1つとしてここで紹介しておきます。

各サイトで「名寄せ」された際の評価方法、代表物件の選定基準は、定期的に更新されています。ルールの内容をきちんと理解するとともに、変更内容をこまめにチェックし、他社よりも高い評価を得られるよう、他社を上回る情報掲載を心がけましょう。

HOMES(ホームズ)代表物件選定基準(2016年11月20日時点)

ホームズの代表物件選定基準は『これをやったら5点!』というように明示されているものがありません。優先されやすい項目とその順位が発表されているだけですので、写真を中心により多くの情報を掲載している物件を評価し、消費者の動向を見ながら随時修正を加えている様です。

優先順位 評価項目 評価概要
1 パノラマ画像
※オプション商品 最大登録枚数:5枚 最大評価枚数:5枚
■高評価の画像種別(2枚目まで加点対象)
「洋室」「和室」「リビング」「ダイニング」
「キッチン」「寝室」「バスルーム」
■1枚目のみ加点対象の画像種別
「寝室」「玄関」「トイレ」「収納」「ロフト」
「バルコニー」「エントランス」「庭」「屋上」
「倉庫」「駐車場」「周辺」「その他」
2 スタッフコメント
※オプション商品 スタッフコメント掲載が有れば加点
3 通常画像 最大登録枚数:30枚 最大評価枚数:15枚
■高評価の画像種別
「キッチン」「間取り」「居室」「風呂」
「外観」※「間取り」以外は2枚目まで加点対象
■1枚目のみ加点対象の画像種別
「子供部屋」「寝室」「トイレ」「玄関」「収納」
「設備」「バルコニー」「エントランス」「その他」
「洗面」「周辺」「地図」「駐車場」
4 周辺環境情報掲載 1施設以上、周辺環境情報を登録すれば加点
5 クチコミ評価 クチコミ評価の点数に応じて加点
6 取引態様 取引態様の内容に応じて加点
SUUMO(スーモ)物件採点表(2016年11月20日時点)

SUUMO(スーモ)の代表物件は、下記のように設定された配点の合計得点によって掲載順位が決まります。ホームズ同様に、写真素材のバリエーションが豊富かどうか、画像系のオプション商品を利用しているかどうか、といった項目に配点が多く置かれています。

評価項目 評価項目・配点 最大得点
動画CM
※オプション商品 動画:5点 CM:2点 いずれか 5
パノラマ
※オプション商品 パノラマ画像1つ以上掲載 4
写真 基本画像 間取り図 5
建物外観 5
居室・リビング 5
キッチン 5
バス 5
その他画像 1カテゴリに付き1点
最大9枚9カテゴリ登録可 9
周辺環境 1カテゴリ以上登録 ※画像必須 1
キャッチコメント キャッチ・コメント両方入力必須 2
オプション商品の利用

ポータルサイトで他社よりも確実に掲載物件を目立たせたいのであれば、オプション商品の利用を検討しましょう。「名寄せルール」で触れたように、画像点数などの条件が同じであれば(あるいは多少下回ったとしても)費用をより多くかけた広告が優先して表示されるよう設定されています。

一般管理物件(複数の会社がオーナーから客付を依頼されている物件)など、どうしても他社と競合してしまう物件や、オーナーとの契約上絶対に代表物件を取らないといけない物件などを掲載する際には、オプション商品の設定を検討すると良いでしょう。

入居時のメリット、デメリットを伝える

他社掲載物件との競争を勝ち抜いたあと、問合せに繋げるポイントになるのが「コメント」欄です。時間をかけて膨大な物件を検索した後の消費者は、既に物件のスペック、設備、契約条件の比較については(恐らく不動産会社よりも詳しい程に)調べ尽くしています。そのうえで、そこからさらに問合せに繋がる広告の特徴は以下の2つです

明らかに他と比べてその物件のスペック・設備・契約条件が抜きん出ている
スペックは大差無いが、判断に迷った際に背中を押すようなことが触れられている
前者は仲介会社が広告したがる物件です。相場より極端に安い、初期費用の負担額が分かりやすく少なくて済む、リノベーション済みで築年の割に綺麗になっている、などなど。いわゆる”鳴る物件”と呼ばれる物件です。

ただ、世の中の大半の物件はそうではありません。築年数も賃料も、設備も条件も似たり寄ったり。そんな物件を掲載する際に重視したいのが、キャッチコピーやコメントなどの「テキスト情報」です。具体的には、「線路が近くにあるため、日中うるさく、家賃が相場よりも安めです。その分、夜遅くまでお仕事される方にはオススメです」とか「隣が墓地でひらけているため、常に日当たりが良い生活が送れます」とか。ちょっと極端な例ですが、「格安!」とか「日当たり良好!」といった月並みなありきたりの表現で止めず、その理由まで一歩踏み込んで説明を行うことで、消費者に対して、物件のスペック情報だけでは判断できない入居後のメリット・デメリットを伝え、入居後のイメージを広告の段階で想起させ、さらには「この会社は物件のことをよく知っている」「相談に乗って貰えそう」といった良い印象を物件広告に持たせることが出来るようになります。

不動産ポータルサイトは、物件情報が羅列されたカタログではなく、競合ひしめく広告サイトです。誰が見ても”良い”と思える商品で反響を獲得するのは誰にでも出来る作業です。似たり寄ったりな商品でも、競合相手を研究し、違いを作り、見せ方を工夫することで新たな顧客を生むのが広告クリエイティブです。今まで流れ作業的に広告掲載を行っていた方は、一度、クリエイティブな仕事が出来るよう、広告掲載業務の内容や進め方を見直してみてはいかがでしょうか。


引用:https://bizlab-chintai.com/?p=372

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