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『ノンセクが26年間を振り返ってみた話』⑬自然な出会い、唐突なデート

    初彼氏とは色んな意味で何もすることなく終わった。今考えると、私の恋愛のスタンスがずれており、Tくんに相当我慢させていたのだが、当時は彼の良くないところばかり振り返っては「自分には合わなかった」「マッチングアプリだし仕方ない」と他のせいにしていた。
    同時に、付き合ったときに自分がどんな感じになるのかが少し分かった(と思い込んでた)。「甘えん坊にはならない」「LINEは続きすぎるとうんざりする」「会ってするどうでもいい雑談が楽しい」「緊張して話せなくなるとかはない」「手つなぎやハグは短時間なら大丈夫」等々。これを糧に次の恋愛を探そうと前向きになっていた。

    次の恋愛は、引っ越しした先で入った社会人サークルであった。とあるスポーツのサークルだったが、初めて行ったときに話して「優しそうな人だな」「このメンバーの中だったらこの人がいいな~」なんて思っていた。それがAくんだった。
    サークルに入ったのは運動したいのもあるが、あわよくばいい人に出会いたいという気持ちもあった。今度は自然に出会って、そこから恋愛関係を築きたかった。

    結婚してるのかな?彼女いるのかな?と気になりながらも、そういった話に及ぶことはないまましばらく経ってから、予期せぬことが起こった。


    Aくんから連絡が来て、遊びに誘われた。


    サークルのグループから友だち登録したようだ。
    複数人ではなく二人きり。それはデートではないか。いや、単にお盆で遊ぶ人が見つからなかったのかもしれない。
    もしかして向こうも…?

    返事はもちろんOKにし、お互いのこともあまり知らないまま、大雨だったので二人きりで水族館に行った。

    結果、楽しかった。話が途切れて沈黙…なんてこともなかった。「意気投合!」まではいかないが、またどっか行こうかとなった。

    そこから月2くらいのペースで一緒に食事をしたりドライブに行ったりした。LINEはずっと続いていた気がする。基本的にAくんから誘って、私の予定は基本空いていたが、遊び過ぎると疲れるので、適当に予定をつくって、会うペースを配分していた。Aくんはもっと会う日を多くしたかったようだが、私に合わせてくれていた。


    そんな調子で最初のデートから3ヶ月経った頃、Aくんから交際を申し込まれた。

    私の心はOKだった。だが、前の恋愛のことも考えると、途中で幻滅されるんじゃないかという懸念もあった。いっそのことその懸念を先にぶつけよう!そう決めた。

    LINE苦手だから返事遅いよ
    1人の時間が好きで、体力回復に必要なの、土日にそういう時間が欲しい
    イチャイチャするのが苦手だから、あんまりできないかも
    トータルして、私、ちょっと変わってるから思い描いてる恋愛とは違うかもよ?
    それでも大丈夫?

    Aくんの返事はこうだった。

    「ちょっと変わってる方が面白いじゃん」


    こうしてAくんとの交際がスタートした。