育児を始めて思うこと

もうあの頃みたいに一人でライブに行くこともないし、もう一人で旅行にも行けないのかな。

そう思うとどうしてもその時の思い出は美化されるわけで。全部が全部、そう、なんなら全部が楽しかったんだ。

自分一人、身一つ、決めるのは全て私だったから。全て己で決めて己の責任。自由とは不自由になってから気がつくもんなのよね、って今更ながらに思う。

今だってそうでしょう?何が違うんだ?って、自由度が違うよね、責任もある。こんなにひ弱で可愛くて可哀想な子どもを死なせる訳にはいかない。隣の芝生は青い。


あの頃ってどの頃?大学時代に何もかもが嫌になって、家を飛び出してみたものの、どこへ行く訳でもなく漂ってたあの日?漂うのに疲れて距離を取りたくて、とりあえず青春18切符を握りしめて南下したあの日?そうだ、その頃だ。

真夏のお盆の京都はすごく、すっごく暑くて茹っていた。そんな照り返しをクーラーの効いた涼しいホテルの一室から眺めてた、あのどうしようかな、せっかく来たのに何してんだろう、いやでも暑いし出たくないや、っていうあの贅沢な悩みも、それすらも懐かしくキラキラとした思い出になってるから、不思議だ。


私はいつも一人旅をする時は、曲を決めてそれをひたすら聞き続けていた。だってそうすると、曲が流れれば思い出も勝手に芋づる方式でズルズルと思い出されるから。まぁなんてことない一瞬を思い出したりして、あぁ懐かしいなぁとなるのが楽しくてそうしていればよかったんだけど、初めての一人旅の時は気分を下げて自分を追い込んでたからね。もういっそ楽になりたくて、でもそんな勇気もない。希望なんてものは昔に葬られていたから、割愛。

結局、ビビリで良かったね、私!って今なってるから、人生何があるかわからないね。

私は今、とっても幸せだよ。大丈夫だからね。あの頃の私。自暴自棄になりすぎなくて良かったよ。ありがとう。


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