【随想】 短編アニメ『George and Rosemary』デヴィッド・ファイン&アリソン・スノーデン
1987年
デヴィッド・ファイン&アリソン・スノーデン監督の『George and Rosemary』を視聴。
9分ほどの短編アニメーション。
30年以上前の作品であるが、古さは感じない。
かわいらしいタイトルオープニング。
カット割りではなくメタモルフォーゼで
シーン展開できるのがアニメーションの魅力。
語りに合わせて絵が移り変わる。
ある家に猫と男性が住んでいた。
男性はボトルシップを作ったり
ピザを食べながらテレビを見たり
つつましやかな生活を送っている。
男性の一つの楽しみは
向かいの家に住む女性と挨拶すること。
今日も女性はどこかへ出かけるようだ。
豪快に鼻をかんでいる様子を双眼鏡で覗いている男性。
玄関前に金魚鉢を出して出かけていった。
挨拶する二人。
つい妄想の世界に入ってしまう男性。
女性とふたり、ダンスをしている。
ワイングラスをかたむけて乾杯。
二人の恋路は大海原へと出港する。
夜になり、男性は寝支度をしている。
窓辺にたたずんで、女性に思いを馳せる。
また妄想の世界に入り込み、
自分たちの関係をロミオとジュリエットのように思いこむ。
しかし現実はそんなわけはなく
一人寂しく布団に入る。
眼鏡をはずし
時計をセットし
入れ歯を外す。
翌日
男性は身だしなみを整え、庭の花を摘む。
思い切って女性に電話をかけてみた。
ところが、緊張して何も言葉が出てこない。
イタズラと思われて電話を切られてしまう。
妄想の中で男性は
足が長く高身長で今と違って髪もふさふさ。
向かいの家に出かけていって
女性に花をプレゼントする。
つもりだったが、妄想の中でも緊張して渡せない。
ノックをする音がする。
扉を開けると、不愛想なガールスカウトのような女の子が立っている。
なぜかクッキーを買わされる。
外に出たついでに、
一念発起して道路を渡ろうとするが
ちょうど向かいの家の前に大きな車が止まり
たくさんの人が女性の家へと入っていった。
男性は部屋へと戻り、向かいの家の客がいなくなるのを待った。
車が去る音を聞いた瞬間、男性は家を飛び出していった。
勇気を出して呼び鈴を鳴らすと
中から女性が出てきた。
男性が言葉に詰まっていると
女性が男性の胸ぐらをつかんで家の中へと引っ張り込んだ。
ソファーに座らされた男性。
女性の家の中には双眼鏡やカメラがある。
壁に貼られた写真には男性が写っていた。
なんと、相思相愛であったのだ。
女性はカセットテープで音楽を流し
ふたりはダンスに明け暮れたのだった。
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