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【随想】映画『花とアリス』岩井俊二

『花とアリス』を見た。
期間限定で、YouTubeで公開されている。

そこまで期待していなかったので、なかなか面白く見ることができた。
暗くない話で、良かった。

19年も前の作品なのに、とっても今っぽかった。

Vlogのような手作り感、浮遊感のある撮影。
YouTuberのようなジャンプカット編集。

間をつまんで、情報を圧縮するためのジャンプカットではない。
ハナとアリス、2人でただホームで電車を待っているだけだったり。
濃密な時間の描写。

映画ならではの、贅沢な間のつくり方。
この抜け感、脱力感が、作品全体に叙情性を帯びさせる。

風景としても、空気感としても、とても美しい瞬間が切り取られていた。
まだエモいという言葉のない時代。

ロトスコープ、インターネット掲示板、ショートフィルムなど、
岩井俊二は、常に時代の空気に敏感であるように思う。

CHARA、Salyu、青葉市子、そして、アイナ・ジ・エンド…

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