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【随想】広告『佐藤可士和』

知らぬ間にこんなにも、佐藤可士和が溢れているとは。
超整理術(2007年9月)を出版した時は、どのくらいのキャリアであったのだろうか。
かれこれ15年は経っている。
不覚にも、気づかなかった。
言われてみれば、
あれも佐藤可士和、これも佐藤可士和、
何もかもが佐藤可士和…。
徐々に、いつの間にか、佐藤可士和が、社会に充満していた。
まるでアップルのように。
佐藤可士和は、極端である。
不自然なまでに削ぎ落とされたスタイリッシュでミニマルなデザインは、マーケットでの自然増殖を可能としながら、
社会に実装された時に風景から異質さとして浮かび上がる。
それはもはや、作り手の主張がない謙虚なデザインなどではなく、佐藤可士和が社会と市場をキャンパスとして描く壮大なアート、創作活動の一貫だ。
この異質さを、盲目的に享受していたことをひどく後悔する。
佐藤可士和を当たり前と感じる状態を、いつの間にか佐藤可士和によって作り上げられていたことについて。
まるで藍染惣右介じゃないか。


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