【随想】Confusion will be my epitaph

芸人永野が
テレビのネタ番組で
長い夜と同化してから早3か月

コロナに疲れた身体を休めるため
私も長い夜と同化しようと思い
ブライアン・イーノ初のアンビエント作品という
『No Pussyfooting(1973)』をかける

Fripp & Eno
どうやらフリップという人とコラボしている楽曲らしい

結構いい
ギターの入れ方がちょうどよくて
アンビエントすぎず聞きやすい

電子音楽は苦手だったが、
これはこれでなかなかよかった

それにしても、zoom会議のために
部屋を片付けなければならない

片付けを始めると読む気のなかった本が目に入りつい手に取ってしまう
パラパラめくっているとプログレッシブ・ロックに関する論考があった

その本によると、ロックとは破壊の表現であり、
その破壊の表現を批評したのがプログレッシブ・ロックであると書かれていた
てっきりクラシックやジャズを取り込んだ頭でっかちな音楽くらいの印象であったが
そう言われてみるとなるほどと感じた

プログレッシブ・ロックの代表的なバンドにキング・クリムゾンとある
そういえば、キング・クリムゾンもプログレッシブ・ロックなのであった

キング・クリムゾンは、
ビートルズの『リボルバー(1966)』『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(1967)』に連なる
サイケデリック・ミュージックの延長で聞いていたため、プログレッシブ・ロックの印象が薄かった

読み進めているとそこに
ロバート・フリップという文字が出てきた

え?ロバート・フリップって
キング・クリムゾンのギターなのか

つい最近聞いたFripp & Enoと繋がる
アンビエントとロックの接合点を見た気がした

その後、サブカルチャーを論じるネット記事で
その本の著者に対する辛辣な評価を目にする
プログレッシブ・ロックがロックの批評というのも、結構腹落ちしたのに違うのかなーともやもやしていたら
何気なくつけていたテレビから『雨に唄えば』が流れてきた

ライトリークがかかった深青の画面に季節外れの粉雪が舞っている
しばらくそのままナレーションも入らずテロップも商品も映らない
説明を拒否したなかなかチャレンジングなCMだと惹き込まれていたら
急に天地がひっくり返りはじめグラスに入ったペプシが登場

そう粉雪の正体は実はペプシの炭酸だったというオチだが、これぞコペルニクス的転回と言わんばかりに
BGMの『雨に唄えば』がキング・クリムゾンの『21世紀のスキッツォイド・マン(1969)』に切り替わった

このタイミングでの思わぬキング・クリムゾンとの遭遇に
まさに天地がひっくり返る心地がした

https://www.youtube.com/watch?v=Ba3fS7GwXaM

そんなロバート・フリップは、プログレッシブ・ロック、アンビエントを経て、
今どこにいるのだろうと現在を調べてみたら、
ミツバチのコスプレをして自宅の庭を奥さんと駆け回っていた…

混乱こそ我が墓碑銘というわけか


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