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【随想】短編アニメ『Blackberry Subway Jam』ロバート・ドゥーセ

1989年
ロバート・ドゥーセ監督『Blackberry Subway Jam』を視聴。
8分半の短編アニメーション。

色鉛筆水彩のような背景が美しい。

キャラクターが話をするとき、
顔から眉毛が離れるような誇張表現は、
最近ではあまり見かけなくなった。

さて、どんなストーリーか。

ある一軒家に住む親子。
母親が息子のジョナサンに留守番を命じて出かける。

ジョナサンがリビングにいると、
何やら壁の向うから騒音が鳴りだす。

何事かと思い壁に耳を当ててみると、突如として壁が真っ二つに裂け、
そこから大量の人が雪崩れ込んできた。

なんと家のすぐ横が地下鉄の駅になっていたのだ。

乗客は勢いよくジョナサンの家を通りすぎ、
そのせいで部屋はめちゃくちゃに散らかってしまった。

帰ってきた母親は留守番中に部屋を散らかしたジョナサンを怒った。
ジョナサンは仕方なく部屋を掃除する。

そしてまた母親は買い物に出かけていき、
しばらくすると、再び地下鉄が停車する。

乗客はアイスクリームやチューイングガムをポイ捨てし
ソファーで寝転がったり、テレビを勝手に見ていたりする。

そこに母親が帰ってきて、さすがに異常な事態に気づく。

しかし地下鉄の停車がなくなることはなく、次々と乗客が通りすぎる。
その度にソファーで寝転がる人、テレビを見る人の数は増えていく。
どさくさに紛れて部屋の冷蔵庫やストーブも盗まれてしまう。

ジョナサンはTVを見ていた車掌に文句を言った。

「ここは駅じゃないぞ!」
「いや、地下鉄が止まるんだから、ここは駅だよ。文句があるなら市庁舎に言ってくれ」

たまったものじゃないと、ジョナサンは市庁舎にクレームを入れに行く。
たらいまわしにされた挙句、市長は停車駅を決めているのはコンピュータだと言う。
コンピュータは間違えたりしないのだと。

ジョナサンは諦めて帰る途中、すべてをつかさどるコンピュータを見つける。

コンピュータの中には小さな博士が入っていて、
実はコンピュータは壊れていて、その代わりに博士が手動で制御しているという。

博士はお腹がすいていて、ブラックベリージャムがほしいと言うので
ジョナサンはブラックベリージャムを買ってくるかわりに自分の家に地下鉄が停まらないようにしてくれと頼む。

では地下鉄はどこに停めたらいいかと博士が聞くので、
良い場所があると言って、ジョナサンは耳打ちした。

ジョナサンは、ブラックベリージャムを4箱博士へ差し入れし、
これでもう自宅に地下鉄が停まることはないと安心して家へと帰る。

次に地下鉄が停まるようになったのは、市長の家であったとさ。


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