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【随想】小説『楽園のカンヴァス』原田 マハ

楽園のカンヴァス、読み終わりました。
アート小説(そんなジャンルはあるのか)は初めて。
ダヴィンチ・コードは、映画で観たのだっけな。
なかなか最初はとっつきにくく、1章ごとにゆっくりと読み進めた。
アンリ・ルソーにまつわるお話。
アンリ・ルソーの絵で好きなのは、《カーニバルの夜》と《フットボールをする人々》。
《カーニバルの夜》は、なんだか絵葉書かなんかを買ったような記憶がある。
この物語にその2つの作品は出てこない。
今回の主題となる絵は《夢》である。
ルソーと言えば、以前から「密林」のイメージがあった。
それは、ノーベル文学賞を受賞したバルガスリョサの『密林の語り部』の表紙がルソーの絵であったからだ。
こちらの小説は2011年に発売され、『楽園のカンヴァス』は翌2012年に発売されている。
この二つの作品で、密林=ルソーのイメージがより浸透したのではないか。
史実にもどついたフィクションということだが、
どこまでが史実でどこからがフィクションなのかが分からなかったので、
ルソーのイメージは、ほぼこの小説によって形作られてしまったといっても過言ではない。
ラスト、時を越えて絵と人が繋がっていく展開にはつい涙腺が刺激された。
岡山の大原美術館にも一度は行ってみたいものだ。


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