【随想】短編アニメ『The Basketball Game』ハート・スナイダー

2011年
ハート・スナイダー監督の『The Basketball Game』を視聴。
5分の短編アニメーション。

画割りが素晴らしい。
基本的には、ナレーションによる語りが
物語を推進する力になっているが、
映し出される画は、それを補足するような
説明的な画ではない。

アメリカンコミック越しの少女の笑顔。
2本の蝋燭の火。
バスの扉の開閉。
キャンプ場の机を這う蟻。
対戦相手の顎髭。

画は画で、自ら物語を語る。
語りに含まれていない情報がそこには含まれており、
画による語りとナレーションによる語りの相乗効果で、
5分という短い時間の中に情感が濃縮されている。

いよいよバスケの試合。
そこまでに丁寧に積み上げたリアルな細部の描写(主人公の視点)が脳内イメージへの感情的な飛躍を可能にしている。

子供の頃の記憶は、
その時の視覚的な情報、主観による脳内イメージ、揺さぶられた感情がセットになって、深く脳裏に刻まれているものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?