燕子花様

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最近の記事

舞台脚本における利用規約

燕子花様の舞台脚本を、皆様が快適にかつ正しく利用していただけるよう、利用規約を制定しました。 必ずご一読ください。 1.利用する際の注意1-1.著作権について 私の執筆した、演劇での公演を目的として作成した文書(以降、舞台脚本と表記)は、すべて著者である燕子花様に著作権が帰属するものとします。 自作発言、無断転載、違法な複製などは絶対におやめください。 見つけ次第こちらで適切な処置を取らせていただきます。 また、著者以外の人物がこれら脚本を使用することによって発生するい

    • オトギの国のアリス(二次創作小説5話)

       滞在2日目くりあ済み「げぇむ」:「♦A」「♣5」 夢を見ているときのような、ふわふわとした感覚がある。 恐らくこれは、一般で「夢見心地」とか言うのだろう。 でもこの感覚は、無理やり夢見心地に取り繕った、ふわふわの何かのように思える。 贋作みたいで、本物より全然味気のない何かみたいだ。 でもそう思うのも頷ける。 いつものふかふかな布団に包まって寝ていない。 いつものお気に入りの枕もない。 いつもよりちょっとお値段高めの柔軟剤で洗った、良い香りのするパジャマも着

      • TRPGシナリオにおける利用規約

        燕子花様のTRPGシナリオを、皆様が快適にかつ正しく利用していただけるよう、利用規約を制定しました。 必ずご一読ください。 1.利用する際の注意1-1.著作権について 私の執筆するTRPGシナリオ(以降、Cocと表記)は、すべて「Chaosium Inc.」「株式会社KADOKAWA」「株式会社アークライト」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。 ただし本編及びシナリオ内の設定は私(燕子花様)が創作したものですので、自作発言、無断転載などは絶対におや

        • Dr.Rの思考実験~定義不足への反抗~

          「ここに、内部に一辺が1mの立方体の空間がある実験装置があります。」 「Dr.R」、本名を「利嶋龍太」教授は生徒らにそう言った。 「Dr.R」というのは彼が自分のことを生徒に呼ばせるときの名前だ。 どうやら彼は、その名前のダサさに気が付いていないようだが。 彼の前にそのような箱はなく、彼が指していたのは大きな黒板に描かれた小さな立方体の図だった。 縦、横、高さの返に逐一「1m」と書かれている。 「仮にこれを、アンサーボックスとでも名付けましょう。」 そういうなり、彼は

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          マドカ&ユズリハ 小説原案2 (6300字版)

          「ユズリハちゃん激写です!」 「ひゃぁっ!?」 突然の鋭い声とともに、パシャッという機械的な音が何度か連続した。 またか、そう呆れた感覚で振り向く。 顔を覆い隠すように掲げられた一眼カメラと、その上からひょこりと出た丸メガネ。 紫色の髪がふらふらと風に揺られている彼女、マドカだった。 「マドカ、いつも言ってるでしょ! 突然後ろから写真撮るのだけはやめてって…」 そう言うと、マドカはこれでもかというほどに口を尖らせて不満そうな声を漏らした。 「えー、だって今日のユ

          マドカ&ユズリハ 小説原案2 (6300字版)

          マドカ&ユズリハ 小説原案2 (5,000字版)

          「ユズリハちゃん激写です!」 「ひゃぁっ!?」 鋭い声とともに、パシャッという音が何度か連続した。 呆れた感覚で振り向く。 顔を覆い隠すように持たれた一眼カメラに、紫色の髪がふらふらと風に揺られている、マドカだった。 「マドカ、いつも言ってるでしょ! 突然撮るのだけはやめてって…」 そう言うと、口を尖らせて不満そうに言った。 「だって今日のユズリハちゃんはいつもよりキラキラして見えたので…」 「だからそういう問題じゃ…」 はぁ、と溜息を吐こうとしたそのとき。

          マドカ&ユズリハ 小説原案2 (5,000字版)

          マドカ&ユズリハ小説原案1 (5,000字版)

          「ユズリハちゃん激写です!」 「ひゃぁっ!?」 鋭い声とともに、パシャッという音が何度か連続した。 呆れた感覚で振り向く。 顔を覆い隠すように持たれた一眼カメラに、紫色の髪がふらふらと風に揺られている、マドカだった。 「マドカ、いつも言ってるでしょ! 突然撮るのだけはやめてって…」 そう言うと、口を尖らせて不満そうに言った。 「だって今日のユズリハちゃんはいつもよりキラキラして見えたので…」 「だからそういう問題じゃ…」 はぁ、と溜息を吐こうとしたそのとき。

          マドカ&ユズリハ小説原案1 (5,000字版)

          陰桐 志那:Ms.Negativity -into instinct

          怖かった。逃げまどっていた。痛かった。恐れていた。 息を吸うたびに冷えきった空気が喉を通り、ひしひしと声帯をきしませながら心臓に針を刺してくる。 脚が竦む。だというのに、膝の関節は微動だにもしない。 「畏怖」という釘を「実感」という金槌で背に打ち込まれ、貫通したような胃の中で吐瀉物になるはずのものが蠢いている。 首の骨が悲鳴を上げ、何もかもに諦めが付いた人間の風体を醸して、頭を垂れる他に逃げ道はなかった。 恐怖も、悲哀も、苦痛も、喘鳴も。 まるで度が過ぎたかのように、身体で受

          陰桐 志那:Ms.Negativity -into instinct

          生きる想いに花束を。(1章-3話)

          「え、選ばれた…?」 「まぁ、それもちょっと色々あってね。もう夜も遅いから、また明日ね。あとベッドまだ用意できてないから今日は私と寝ることになるけどごめんね。じゃ、おやすみ。」 「あ、はい…」 彼女は足早に、小ぶりな扉へ向かって歩いていた。  なんとなくそう言われて納得したけど、よく考えたらおかしい。 礼香さんは私とは違ってパジャマを着ていないし、そもそもまだお風呂にも入っていない。 なんなら、私を迎えたときの風貌と変わらない。長い髪に滴っていた雨は流石に拭き取られ

          生きる想いに花束を。(1章-3話)

          生きる想いに花束を。(1章-2話)

          「……は?」 __誰だ、この人。 私は声がしたほうを見上げて言葉を零し、内心からそう思った。 * 周囲がサーサーと音を立て、まるで針のような雨の線が滴り落ちている最中。 傘も、雨具も、鞄も、雨をしのぐ道具はおろか私物さえ持っていなかった私は、安らぎの場から遠く離れた道里で佇んでいた。 深い深い、いくら手を入れて探っても底が分からない、沼のような心の水溜まりに浸かっていた。 …なんだって、悪い方を選ぶ必要はどこにもないはずなんだ。 何もかもは表裏一体、違ったのか。 表に

          生きる想いに花束を。(1章-2話)

          生きる想いに花束を。(1章-1話)

          私は怖かった。 逃げていた。どこまでも逃げまどっていた。 何かが背に追いつこうと、地を這って私を追尾する何かがあった。 それが何なのか分からない。 確かめるために振り返ることもできないからだ。 ただ、逃げる。それしかできないのだから。 足首の筋肉が悲痛な叫び声を上げている。 動かすたびに、心と身体に針を刺すような痛みが走る。 喉を通る空気が、まるで愛を忘れたように冷たい。 それはまるで端から温かみなんて何処にも無かったかのように。 それでも息を荒げなければ、今にも脚を止め

          生きる想いに花束を。(1章-1話)

          【クトゥルフ神話TRPGシナリオ】 ─ラズベリーパイの爆弾魔─ 6万字をかけて執筆が完了しました。 売品ですのでnoteでの無料公開はしかねますが、boothにて発売する予定です。 他の方のご迷惑にならない程度でしたらリプライにてご質問等承ります。

          【クトゥルフ神話TRPGシナリオ】 ─ラズベリーパイの爆弾魔─ 6万字をかけて執筆が完了しました。 売品ですのでnoteでの無料公開はしかねますが、boothにて発売する予定です。 他の方のご迷惑にならない程度でしたらリプライにてご質問等承ります。

          喰うと決めた僕と大嫌いなスパイス。

          「ストレスは人生のスパイスだ」という言葉がある。 僕はこの言葉が大嫌いで、大好きだ。 そもそもスパイスの存在意義が分からない。 なぜ砂糖でできた甘い人生ではいけないのか? 考えたら分かった。 スパイスはあれば美味しくなるからだ。 じゃあ、もっと振ってやろう。 ピリ辛が激辛に変わっても、腕が壊れるまでスパイスを降り続けてやろう。 さぁ、与えてみろよ。 人生を美味しくさせるスパイスを。 僕がこれまで溜めに溜め続けた砂糖を、お前らみたいな微かなスパイスで味を変え

          喰うと決めた僕と大嫌いなスパイス。

          グッバイ・エマージェンシー

          カチッ…カチッ…カチッ… 「…………。」 カチッ……カチッ…… 「…………………。」 「あーーー…ダルッ…」 12月31日。 時間を無駄にして生きている割には、『昨日』が『今日』に移り変わるたった今まで目を覚ましていた。 今もなお眼球が眠気を受け取らず、遅寝する気持ちさえも闇に食べられていた。 俺からすれば、『今日』も『昨日』も『明日』も、ただただ無心に経過していく365分の1日な訳だ。 さっきからこれ見よがしに音を出しながら時間を刻んでいた針を見ると、案の

          グッバイ・エマージェンシー

          オトギの国のアリス(二次創作小説)4話

           滞在2日目くりあ済み『げぇむ』:「♦A」 なにやらハイテクな感じの、鉄で出来た首輪を装着する。 付ける前は、固いし冷たいしで息苦しくなりそうだなぁと思ってたけど、付けてみたらびっくりした。 機械っぽい割に伸縮自在で、自分の付けてるのは見れないけど、アタミさんたちが付けてるのを見ると近未来のチョーカーっぽくて、ちょっとかっこいい。 どうやら今回の『げぇむ』は、『えんとりぃ』するためにこれを付ける必要があるようだった。 自分とアタミさんを含めた5人の人がこちらに、板ガ

          オトギの国のアリス(二次創作小説)4話

          キャラクターのフルネームが分からない方へ(2) 篠原美空 しのはらみそら 田村解 たむらさとる 紅綿藍 べにわたあい 凍名咲 いてなさき キャラクターが増えたら随時更新します。

          キャラクターのフルネームが分からない方へ(2) 篠原美空 しのはらみそら 田村解 たむらさとる 紅綿藍 べにわたあい 凍名咲 いてなさき キャラクターが増えたら随時更新します。