ニーアレプリカントVer1.2(略) クリア後感想

ヨコオ作品にはニーアレプリカント(リメイク前)から入った人間が、やっと今作をクリアしたので、ちまちまと感想まとめ。

ネタバレありなので、それでもいいって方だけ読んでくださいね。

とにかく差分のためにプレイした

ニーアやった人ならわかってくれると思うが、このシリーズは周回プレイが必須。何度も同じストーリーを繰り返し、周回ごとに追加される要素によって世界観が深まる。

……のだが、そもそも私はリメイク前をプレイしているわけで、魔王だって十年以上前に三回は倒している。なので世界だのストーリーだのより、とにかく追加要素(差分)目当て。

過酷な旅()になることは覚悟していたとはいえ、素材集めもあって本当につらかった……それでもプレイし続けたのは、かつてコンプリートガイドに掲載された小説がゲームに追加されたからだ。

人魚姫とEエンド。とにかく目的はこれを見ること。

人魚姫の話

まあ、悪くはなかった。モブに過ぎなかった、でも灯台クエストのおかげでそれなりにキャラの立っていた配達員さんが大出世。倒し方によって微妙に異なる終わりを迎えるが、あれ初回で攻撃止められる人いるんだろうか。

月経云々は……あの出血見てすぐに月経に思い当たる配達員すげえな。最近の日本では「生理の貧困」が話題になっていて、父子家庭で親に言い出せず困っている娘もいるというが……配達員には出血多めの姉妹でもいたのだろうか。男親としての素質は充分である。

まああの世界での月経はマジでただの出血現象で、出産には結びつかないはずなんだけどね。人間(というかレプリカント)の出生は、アンドロイドの仕事だったはず。(手元に資料がないので曖昧な記憶で書いています)

それでも世界観に即して言えば、「本来あるはずのない月経」はイレギュラーの象徴だろう。DOD3でも特異な周回において、ゼロが「急に生理が来て困った」というシーンがあったので、そういう小道具として登場させたに違いない。「このマモノは何か違うぞ」と示しているわけだ。

(なおゼロからそれを聞かされたのはなぜかデカード。井上和彦がメンスだのなんだのと口にしたのはこの作品くらいではなかろうか)

ルイーゼのマモノとしての特異性は、人間を殺すだけではなく食べたこととか、それによって滅茶苦茶強くなったとか、そういう点だとは思う。あとは双子が言っていたこととか。情緒的な面を見れば「人間に恋をした怪物」という点なんだろうが……そんなことでゲシュタルトの体内構造がどうにかなったりするのだろうか。

とはいえ、個人的にはあれは殺した人たちの血がくっついてきただけだと思うけど。

Eエンド。Eエンド!!

おや意外なところで分岐したなあ……で、そこからのカイネ。カイネ!!十年以上経ってやっと念願かなってカイネ操作できるんですよ!!!!

動きが最高。一つ一つの動きがもっさりして重めだったニーアに比べ、ボタン一回でなんでこんなに動くのってレベルで軽やかにジャンプして回転して斬りつける。かっけえ。動かすのめっちゃ楽しい。

佇まいからしてかっこいいもんな。スタイルが良い上に所作もキレがあって、いちいちかっこいい。

ガードで敵の攻撃を弾いた後のカウンターも良かった。テュランいなくてもこんなに強いのかよ……いや、ニーアのお供やってるときからこういう動きしてくれよ。時間かかる魔法とかじゃなくてガンガン攻めていってくれてよかったんだぞカイネ。

はー、そうだ、テュランいなくてもふつーに下着姿なんだね。左半身に包帯がない。もう体を日に当てる必要はないはずなんだが、まあその辺は失う前からの習慣だからいいのか。

あと嬉しかったのは、毎回違う台詞を言って蹴り飛ばしてくれることですかね……尻にはあまり興味ないが、蹴り飛ばされるのはつい何度もやってしまった。だって十種類の台詞をいちいち音声収録したんだなって……こんなことのために……嬉しいんですけど。

Eエンドはすべてが新鮮で良かったです。カイネ動かすのも、やっと神話の森の正体が判明するのも。小説版ではあそこで出て来るのは少年だけだった気がするけど、少女の方はつまり多次元周回による差分(という言い訳)なんでしょう。

ずっと気になってること①あの村は結局どこなの?

ニーアの村は日本のどこにあるのさ?というのが十一年前からの疑問。

まあ、石の神殿から魔王の城まで長距離移動していない限りは都内なんだろうけど、それにしたって平原に山海にものすごい大自然である。

あの村や海岸の村なんかは西洋風だし、オリジナルニーアもエミールも明らかに日本人ではないし、なんなんだろうなあの塩の街と化した日本は。実は欧州某国の占領下にあって白人の勢力が強い、異なる世界線の日本なんだろうか。いやでもドラゴン撃ったのは自衛隊だっけ……。

そういやオープニングで出たのはスカイツリーだったな。じゃああのスーパーも実は浅草とかその辺なのか……?

スカイツリーに何も刺さってなさそうだったのは気になる。映像で映したのがたまたまスカイツリーなだけで、やはり東京タワーにはドラゴンが刺さっているのだろうか。

村の位置と塩の街の位置に関連性があるとかそういう話は聞いていないので、都内でも何でもない可能性もあるか。

ずっと気になってること②石の神殿ってなんの施設?

石の神殿、場所も造りも謎。その正体は、公式ではまだ説明されていないはず。

周囲をコンクリの壁に囲まれた、まるでダムの中みたいな空間のど真ん中にある。現代日本にそんな場所あるのか?

それに内部は(樹は後から育ったものとして無視)、幅広のでかい階段にひあすら横と繋がる部屋、そして屋上にはなぜか風呂。シロがいた部屋は礼拝堂か何かのようだったし、もしかしたらあれは結婚式場で、この建物はちょっと変わったホテルだったのかもしれない。

と、思ったのだが、それにしたって部屋が変だ。円筒形の建物の外周に沿う部屋はみんな横に繋がっている。なんで廊下に出られないんだ?廊下に出るために隣の部屋を経由するとか、宿としてありえない。

レプリカントの時代に神殿って呼ばれるのも、ちょっと造りが意味不明だから誰かが言い出したことなのかも。

ずっと気になってること③鍵集めって誰が企画したのさ?

青年期で「石の神殿が魔王の居場所に繋がってるって」とか言われ、突如始まった鍵集め。

これを画策したのは赤毛の双子だとずっと思っていたのだが、今作の三週目で違うと判明。じゃあ誰がこれ設定したんだよ?

前は、青年期になってしばらくしてから、「ちょうどいい頃合いになったので、ゲシュタルト計画を進めよう」と赤毛の双子が各地のマモノに鍵を持たせ、ニーアを石の神殿へ差し向けたのだと推測していた。

だが三週目の会話からすると、双子も魔王の所在がわからなくて困っていたらしい。鍵のことも知らなかった様子。

とすると私の推測は間違っている。再度考えてみた結果、「頃合いを見て魔王が神殿の封印をセットし、それを解除する鍵を各地のマモノに持たせ、更に双子に伝わるよう自ら所在の情報を漏らした」ということになるのだが……。

魔王がそんなことする理由なんてあるか?自分のレプリカントを呼び寄せて、体を奪おうとした?いや体奪うだけなら、自分からおもむいた方が良いような。妹から目を離したくないから呼ぶしかなかったのか?

双子も魔王の城で、村に戻るよう主人公に何度も促していたし、やっぱり魔王の個人的な考えでニーアを呼び寄せたと考えるのが妥当か。

ずっと気になってること④シロって結局なによ?

白の書の存在はマジで謎。

計画に必要なものであり、なおかつ記憶喪失であるということだけは確実だが、じゃあ計画においてどんな役割を担っていたのか?なぜ双子の持っていた力を分け与えられていたのか?など、説明されていないことは多々ある。

「主人公の敵になるはずだったが、結果として良き相棒として最後まで一緒に戦ってくれる存在」というメタ視点での役割はわかるんだが……うん……。Eエンドでの登場も、なんであそこにいたのか分からぬ……お前ほんとどういう存在だったんだ……?魔素が絡めばなんでも良いってわけでもないだろ(すべてそんな感じで片づけられてるけど)。

こまごまとした感想

・最後の双子の顔がニーアに出てくる子供史上一番の出来。今作はビジュアルが一新されたから、そのおかげで可愛い顔になったんだろうね。リメイク前の時点で登場させられてたら、たぶん微妙な顔だったかも……。

・素材集め無理。なぜチタンばっかりで形状記憶合金は落ちないのか?鉄塊の1回目強化のところで周回して集めるしかないのか?まあ黒真珠はそういうのできないんだが。

・音楽の演出が良かった。最後の方の石の神殿で、階を上がって進むごとにアレンジが変わるのとか。

・名前だけ出てきたアコールにラストの花。さてここからどこに繋がっていくのか。ここからじかにDOD3に行くことはないだろうけど…まあ公式で厳密に決まってることなんてほぼないだろうし、象徴として出したくらいだろうな。うん。ぜんぶ魔素のせいなんだろう。うん。



途中ほんとにダレてしまって、クリアするのに予想以上に時間がかかってしまった。ヨコオ作品は、十一年前のレプゲシュから入り、DOD3、ニーアオートマタ、ヨルハ舞台にシノアリスとリィンカネ……と追いかけてきたけど、最近ではだいぶ赤目が薄くなってきてます。舞台なんて何回マイナーチェンジするんだよ、って思ったし。好きではあるけど、ちゃんとした新作ゲームが出なくて供給が少なく、追うにも燃料が足りないんだと思う。

そろそろ魔法が解けるのかもなあ。

けどDOD3のフォウちゃんは私の中で最高の少女。

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