見出し画像

ある地名の風景

三戸の干し大根   mito-2

冬の日差しが眩しいこの日、
三戸の海岸近くではこんな風景。

ここは三浦大根の本場。
フェンスに干された大根は
お正月の口直し、“たくあん”に変身するまで待機中!

ところで
三戸は茨城の水戸と同じなのでしょうか。

水戸は水門のことだと言われています。
那珂川を堰き止めて
水田を作ったことに由来することになっています。

“ミト”という言葉を調べると、
富山のあたりでは田んぼの水の落とし口のことだったり、
奈良や和歌山では水路、川の瀬の中ほどあたりのこと、
愛媛では、潮の流れの速さのことなど・・

その意味するところはそれぞれですが、
共通しているのは“水”に関係していることです。

ここ三浦半島はどうなのでしょう。
実は、三浦の三戸に関しては昔からの言い伝えがありました。

いつの時代かわからないのですが、
このあたりの土地を内田太郎、庄司次郎、海戸五郎という
三人の土豪(小さいながら土地の有力者)が分けて治めたことに由来する・・

こんな話が「三浦郡志」にあるそうです。

うーん、いかにもいわゆる地名説話っぽいですねぇ(笑)
にわかに信じるわけにはいきません。

地名には、その意味が分からなくなると
必ずといっていいほど、後の時代に由来を説明する伝説が生まれます。

いかにも“こじつけ”だろーと思うものも多いのですが
これはこれでなかなか面白いものもあります。

ハッキリ言って由来がわかる地名はほんの少数。

ほとんどがまったく分からないか、
「たぶんそうだろう」止まりです。

だから私も好きなこと言っているわけです(笑)

でも、地名の魅力は由来を考えることだけではありません。

伝説や当て字なども含めて
私はインスピレーションを得ています。

まぁ、伝説は伝説としても、
一つ気になる説を見つけました。

「民俗地名語彙事典」(三一書房1994年)によると
関東から東海にかけて
”穴”のことをメド・ミド・メドンコなどと言う・・
とあります。

ミド・・ミト・・
海岸のどこかに穴のあいた岩や地形があった・・

三人の土豪よりはマシだと思うのですが(笑)

(神奈川県三浦市)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?