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ある地名の風景

黄金の岸辺ー北上川冬景色     kitakami

ここは岩手県北上市の北上川河畔。
寒い・・

東京の寒さと違い、寒いというより痛い。
たぶんこの日は昼でも零度くらいだったと思います。
でもそんな私を横目に、白鳥が優雅にたわむれています。

北上市は岩手の南西部、人口10万人足らずの町。
江戸時代は仙台の伊達藩と盛岡の南部藩の
ちょうど境界にあたる土地でした。

そして”北上”という同じ名を冠する北上川は、
県北の北上山地、奥中山付近に源流を持ち、
宮城県の石巻まで約250キロを流れる大河です。

古代より、エミシ、エゾと呼ばれる人たちと
朝廷の兵がこの川に沿って幾多の攻防を繰り広げてきました。

有名なのが平安時代中期の「前九年の役」です。
今の盛岡市の北上川沿いに拠点をおいた
安倍貞任(あべさだとう)が奮戦します。

現在も“安倍館”(あべたて)や
”前九年”(ぜんくねん)という地名が残っています。

ところで、この安倍一族には白鳥にまつわる伝説があります。
一族の名に”白鳥三郎””白鳥八郎”などがあることや、
その墓を白鳥明神と称すること、
一族の関係する地に”白鳥”の地名が残ることなどが挙げらています。

詳しくは日本地名研究所の谷川健一の著書「白鳥伝説」をどうぞ。
関東・東北を舞台とした古代の壮大な歴史ロマンが描かれています。

ちょっと難しいですけどね(笑)

(つづく)

(岩手県北上市)

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