207ページ目の珈琲の染み 02
空気感
起きたぜ。さすがに。
この持ち歩かれている感じ、久しぶりすぎて酔いそうだ。
ちょっぴり乾燥した手が、俺を握りしめている。
俺は、買われる、、、?
今更よろこぶわけでもないが、環境が変わる。それはいいことだ。
店の主人は淡々と、会計をすすめる。
人間のくせに、感情を持ち合わせていないかのようだ。
たしか、玉ねぎ臭かったあのおばさんを前にしても、こんなだった。
「カバーは付けますか。」
「、、、はい。お願いします。」
割と澄んだ、いい声をしてやがる。
青年は、俺をレジに通してから店を出るまでに、3度、メガネのズレを直した。
、、、寒い。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?