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Case4.伊方発電所原子炉設置許可処分取消訴訟〈最判平4.10.29〉

POINT🎯
日本で最初の原発訴訟で、裁判所はどのような基準で判断したのか?


四国の原発建設計画は、1966年に愛媛県で始まりました。
過疎化に悩む伊方町では、地域振興を期待して原発誘致が進められ、国に原子炉設置許可を申請し、1972年にその承認を得ました。

これに対し、建設予定地周辺の住民は、国の安全性の審査が不十分だとして許可処分の取消訴訟を提起し、これが日本で最初の原発訴訟となりました。
最高裁判所では、原発の安全性を国が判断する行政裁量と、裁判所がこれをどのように審査すべきかが焦点となりました。

審理の結果、安全性の判断は、各分野の専門家の意見を尊重して行う国の裁量を認め、それが現在の科学技術水準に照らして合理的で、かつ各専門家の審議や判断過程に重大な誤りがなければ、その処分は適法であると結論付けられました。
また、立証責任は原告側が負うのが原則ですが、この判決では、国側も自身の判断が合理的であることを相当の根拠と資料に基づいて示す必要があると、合わせて示されました。

裁判の結果は原告の敗訴となりましたが、この判決は、国の安全基準の重要性やその根拠を示す必要性など、原発訴訟における判断の枠組みが明らかにされ、行政の責任と透明性の確保が強調された重要な判例となっています。

©2023 written by ChatGPT-4


© Sadamisaki NAVI

📝雑記①
佐田岬は、四国の最西端にある日本一長い半島です。
そこを通る国道197号線には下のような標識があり、車で走ると「みかんの咲く丘」のメロディーが聞こえてくる区間があります。
これは、道路に掘られた細かな溝によって、タイヤの接地音が音階となるように調整されているそうで、道路の両側に見える海の景色と相まって、のどかなドライブを楽しむことができます。

メロディロードの標識

📝雑記②
国道197号線をしばらく走ると、突然、異質な建造物が目に入ります。
伊方原発です。

突然現れる巨大建造物(2015年撮影)

この時は、施設のすぐ近くまで行くことができたのですが、車を停めてカメラを向けるのはこの場所が限界だと感じる雰囲気がありました。
また、画像の右端に鉄塔が見えますが、1988年に起きた米軍ヘリコプターの墜落地点がちょうどこの付近だそうです。
原発施設との距離を間近に見て、あらためてその重大さを感じました。


〈備忘録〉

◆佐田岬半島観光案内サイト(sadamisaki.com


◆この「判例地探訪録」は、有名判例の概略をChatGPTに平易な表現で解説してもらい、現地を訪れた記録とともに紹介するシリーズです。
◆この判決の詳細については、下のリンクから確認することができます。
🔗 裁判例結果詳細 | 裁判所 - Courts in Japan


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