M i s s L e m o n
トップ画像は
シンガーソングライターの 飯島真理 さんが
1988年の4月10日にリリースした6枚目のアルバム、Miss Lemon 。
このCDはボクの人生にとって
とても深い意味のあるアルバムだったと言えるだろう。
もう33年が経つ。
CDがショップに陳列されるのは発売日の前日...
そう、4月9日が本当の発売日だった。
* * *
はっきり言って飯島さんは「不遇」としか考えようがない。あれほど才能に恵まれながら、あれほど音楽に情熱を注ぎながら、なぜ彼女の音楽が正当に評価されないのだろう。知名度なら申し分なかった、ビジュアルだってミュージシャンとしては申し分なかったと思う。
これはやはり、アニメの声優としてアニメソングの歌手としてデビューしてしまったからに他ならないのではないだろうか。2021年現在、鬼滅で完全ブレイクを果たした LiSA さんでさえ直面している不条理な問題、恐らくそれに間違いないと思う。飯島ファンの方々はご存知だと思うが、この問題はかつてご本人も含めて散々言及されていた。しかし、克服はしないまでも意識としては完全に乗り越えたことだと思う...。いや、思い込んでいただけなんだと最近また気付かされた。もし、全くアニメに関わらないうちに、坂本龍一さんプロデュースのアルバムでデビュー出来ていたなら、どれほど高い評価が得られただろう...。
* * *
あまり詳しくはないが、女性シンガーソングライターの頂点と目される松任谷由実さんと比べてみよう。知名度は雲泥の差かもしれない、歌詞についても同様の差、しかし作曲についてはそれ程劣る事などないだろう。もし反論があるのならこの Miss Lemon を10回ほど聴いてみるといい。松任谷さんの曲はどこででも流れていたので、確実に20回では済まされないほど聴かされている。
例えば、この2曲を聴き比べてほしい。
※ 追記。全然ボリュームが違う、これはフェアじゃない。
何故だかボクは飯島さんの『冷たい空』を、松任谷さんの『リフレインが叫んでいる』からインスパイアされた曲だと思い込んでいた。リリースされたのは同じ年だったのかったのだが『冷たい空』の発表の方が8ヶ月ほど早い。昨年、note内の記事に『リフレイン叫んでいる』の内容を見つけ、久々にYoutubeで聴いてみたところ、間違いなく自分の好きな曲ではあったが記憶していたほどの感動は得られなかった。そして、若干似ていると感じる『冷たい空』の方も久々に聴いてみると、こちらの方は激しく鳥肌がたった。
飯島ファンだったのに、何かにダマされてしまっていたようだ。
歌詞にしても若い女性が書いたリアルな感情がこもっていて、緊張感がある。個人的には松任谷さんに軍配をあげるが一般的には好みが別れる事だろう、甲乙つけがたいかもしれない。飯島さんはご丁寧に「ソーダ水」という言葉を挿入している。彼女はかつて呉田軽穂さん作詞作曲の『瞳はダイアモンド』からインスパイアされて『瞳はエンジェル』という楽曲を創作した。ボクは『瞳はダイアモンド』と『蒼いフォトグラフ』が呉田さん...、松任谷さんの最高傑作だと信じ込んでいるのでフェアではないかもしれないが、飯島さんの『瞳はエンジェル』も傑作だと思っている。残念ながら、ジェフ・ベック・グループのMax Middleton さんが編曲したオリジナル作品が動画サイトには存在しないようで貼付は出来なかった。聴き比べてみれば音楽ズキなら恐らく『瞳はエンジェル』を選ぶのではないだろうか。松任谷さんの方は歌謡曲であって、飯島さんの方はロックミュージックの系譜であると感じることだろう。一般的な日本人ミュージシャンと、ジェフ・ベック・グループのメンバーを比べるべきではないが...。マックスさんは伝家の宝刀である、あの超絶なエレピ演奏さえその楽曲では披露していない。
* * *
この曲は『冷たい空』の次に流れる『プラットホーム』という作品。松任谷さんからインスパイアされた『瞳はエンジェル』の代わりに聴いていただきたい。
背伸びをしている女性の歌詞なのだが、その心情をここまで歌えるシンガーは現代でもそう多くはないと思う。もちろん松任谷さんが新井さんだった頃でさえこの歌唱は不可能だろう、松田聖子さんでも歌いこなせなかったと思う。LiSA さんなら或いは...、少々激しくなり過ぎてしまうだろうか。
それにしても、レベルの話ではないがコレだけ月日が経っているのにアニメ系で飯島さんのようなミュージシャンが出てこないのは何故なんだろう。もちろん、マクロス後継者の中島愛さん、鈴木みのりさん、安野希世乃さんたちは、シンガーとして本当に素晴らしいと感じている。ただ、アルバム1枚全部を自分の音楽だけで染め上げることは難しい。様々なコンポーザーを採用していたとしても、結局は捨て曲になってしまう作品だってある。ならば丸ごと1枚が誰かひとりの才能によって創られても、それほど変わらないのではないだろうか。そういえば、meg rockさんは頑張っていたと思う、声優ではないが。
* * *
原点にして頂点。
個人的にはあまり使いたくない表現ではあるが、ネットの書き込みなどで飯島ファンが頻繁に用いるのも、ある意味では納得できるかも知れない。しかし、原点であるということは Miss Lemon は含まれていないのだろう、これは本当に残念なことだと思う。飯島さんのキャリアは長く、驚くべきことにオリジナル・アルバムは25枚もリリースされている。その中には本当に素晴らしい楽曲がいくつも収録されている。一番ボクの好きなのは、2004年にリリースされた Wonderful People というアルバムに収録されている『Tuesday』という楽曲、もしくは Miss Lemon の1曲目『ガラスのダーリン』だと思う。この曲からボクの人生は始まったと言っても過言ではないだろう。
その Miss Lemon という飯島さんの6thアルバム...
実は昨年、2020年の12月23日には初のリマスター盤が発売された。当時の音質としては申し分ないクオリティだったと思われるものの、録音レベルが小さかったため歓迎する人も多かったのではないだろうか。トップ画像の上に重なっているディスクがそれ。Miss Lemon +2 というタイトルで、7枚目のアルバムをリマスターした MY HEART IN RED +4 と同時に、タワーレコードのオリジナル盤として発売されたものだ。
ディスクの寿命もそろそろ近い...。
もし、オリジナル盤を所有しているのであれば尚更リマスター盤も入手するべきではないだろうか、Miss Lemon は最高傑作に間違いのだから。
E n d
シン・エヴァンゲリオン劇場版 ネタバレ注意!!
VOYAGER〜日付のない墓標
アレはないでしょ?
有名な曲でなければ意味がないのだろうけど、果たして「今日の日はさようなら」とか「翼をください」とかのように効果的だったのか怪しい気がします。歌唱の方もヤバかったと思う、シャーマンキングは期待できないかも。ちなみにボクは、松任谷さんも林原さんもキライな訳じゃないですからね、時と場合を考えようねってハナシ。迎合するあまり物事の本質を見失ってはいけません。少しは『たまゆら』を見習ってほしい、アレはアレでやりすぎ感が否めないのだけれど...。
エヴァンゲリオンは初期の劇場版と比べ、音楽のセンスが崩壊していると感じてしまいます。宇多田さんは好きなミュージシャンですけど、今回はエンディングの長さで作るべきだった思います、良い曲なんだから。
まぁ、もう終わってしまたんだから仕方のないコトなのでしょう。
ロスってこういう感じだったのか...
さみしいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?