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ちょっと待って、人生ムズくね?

はっと気づいたらだいぶ歩いて来てしまっていた。ここまでの人生を誰かのせいにしてしまいたくなる。数学的に果てしない確率を渡り歩いて、自分だけのオリジナル人生を作り上げてしまった。おいおい、生きるって、人生ってムズくね?

帰省した時、高校の時の同級生が3人も結婚していた。驚いた。苗字が変わっていた。そんな訳ないと、ろきちゃんを見てやったらそいつからは結婚の匂いすら、全くと言って良いほど、かすり傷ひとつ感じる事ができなかった。

「東大大学院」その肩書きひとつで「凄い!」という感嘆詞を喝上げして来たような気分だ。実際にはそんなことはない。入れそうな専攻コースを狙い撃ちした、卑しい東大大学院生なのだ。しかし、そのことを説明すればするほど、ろきちゃんは謙遜も!できる凄い東大大学院生になってしまう。それを捨て、芸人一本になろうとしてる自分にはどんな価値も付与されていない気がして眩暈がする。ごめん、みんな。こいつは多分5年後くらいに情けなくなってる。今まで1人だけ、ろきちゃんの肩書きを聞いて「凄い!」と言わなかった人がいる。ろきちゃんはその人ともう少しだけ長く居れたら、こんなnote書いていなかったかもしれない。どうしてこんな人生になってしまったというのか、自分にも分からない。

人生には選択肢があり過ぎる。恐ろしいほどの選択肢が存在する。あれやこれややりたい人にとっては苦痛だし、何もやりたくない人にとっても苦痛だ。でも、そんな選択肢もどんどん減ってきている気がしてくる。それは、きっとろきちゃんが何も考えずにめちゃくちゃに生きてきたからだ。無限にあったと思っていた選択肢が、年と共にどんどん狭まっていく。

やっぱり、花束みたいな恋がしたかったし、男女数人ずつの訳わかんないグループに所属したかったし、春はそのグループでディズニーかユニバに行きたかった。でも、ろきちゃんはこんな経験してたまるかという選択肢を取った。

そうは言っても、その経験をしていないことはろきちゃんの選択肢を大分狭めてしまった。偽物の憂鬱は何の結果も生み出さなかった。

でも、歯医者に行かないという選択肢は確実に今のろきちゃんを苦しめている。あーあ、今ろきちゃんがとった選択肢は未来のろきちゃんをどれだけ苦しめ、幸福たらしめるのか。

今日すれ違ったあの人たちは、どうやってここまで人生を歩んで来たのだろうか。そんなことばかり考えていたら、世界の真理に近づきそうで怖くなる。だから考えない。正解などないから。うんと年を重ねた時に正解に近づいていればいいだけ。この人生ゲームを、いや、ゲームと呼ぶには楽しくなさすぎる、この人生リアルを、ムズいなーと言いながら進めてみよう、という、取り留めのない結論で自分を落ち着けたい。

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