頭良くて性格いい人の前でろきちゃんはどうすればいい

お久しぶりです。東大大学院に入学して3ヶ月半経ち、ろきちゃんが戻ってきました。と言っても、続くものではございませんが。

凄い人ばかりいる。今までも凄い人というのは点々と見たことはあるが、こうも集団で凄い人が固まっていると、身の危険を感じる程度のことではある。この3ヶ月半は常に大怪我を負うリスクと隣り合わせだった。やっぱり、東大大学院はろきちゃんには不相応すぎた。最近、同期とはこう言っている。

「僕らは金を積んで東大に入学した」

と。ろきちゃんが入学できたのは、東大に値するほどの力があったからではなく、倍率が低かったからだ、という同期での見解。そんなことを言いあってる、同期の彼も、ろきちゃんからしたらかなり優秀なのだが。

先輩をみても、先生をみても、こう思う。

「おい。人間にはこんなに知識って入るもんなのかい」

と。空で喋る情報量が多すぎるのだ。一方ろきちゃんは、彼らの言ってることのほとんどが、はじめましてさんなのだ。勿論、無知は悪いことではない。怠惰に比べれば。これから、その無知を解消するという方向に向かえば。ろきちゃんだって、その無知を解消する方向に向くのだが、その為に本を読んでも一発では頭に入ってこない。少なくとも、あんなに空で喋れる程ではまずない。2回3回読めば、確かに頭に入ってきているが、まだまだ壁はある。

「おい。あの人たちと対等に喋れるようになるまでどんだけかかってしまうんだ」

という。格差ともいうべき、情報の非対称性。その差は努力量だけに依存しているとは考えたくない。もしそうなら、この差が努力量にもっぱら依存しているとしたら、ろきちゃんが今までしてきたのは、努力でも何でもないことになってしまうから。おい、ヤベェとこ入っちまったぞ。

しかも、みんな気さくで優しくて良い人たちだ。悪い人たちだったら、それはそれで心が救われた。あんな奴らは勉強できる代わりにそれ以外の大事なものを失ってるんだ、と罵っていれば済むのだから。とにかく優しい。ありえないほど研究の相談に乗ってくれたりする。パンの研究をしている先輩が一番乗ってくれる。もうなんなんだよ!お陰様でこちとら、毎日毎日、自分の愚かさと知識のなさとにらめっこしているんだよ。こいつらはなかなかに僕の意識から出ていってくれない。厄介な、腐れ縁たちだ。

この前、7月の頭くらいだったか。暑い中、汗ダラダラで研究室に行くと、先輩がいた。先輩がいたのは良いのだが、驚くことにその先輩は研究室に暖房をつけていた。暖房?みんなそろそろクーラーつけるって時期だよ。クーラーつけるかつけないかっていうのは論点だけど、わざわざオプション付けてあっつくする人はいないのよ。その先輩が相当寒がりなのだろう、と思ったら、その先輩はちょっと暑そうに上着を脱いでいた。いや、先輩も暑いんかい!非常に不思議だった。不思議だったけど、その日は一度つけられた暖房のせいで一日中研究室が暑かった。

良い人ばっかりだ。

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