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まだ知らないだけの景色をきいてみる

上野原市の魅力を表す言葉が決定した。
「まだ、知らないだけ。」
僕はこのブランドメッセージをとても気に入っている。

市外の人がまちの魅力を知ることも、市内の人がまだ知らないまちの表情を再発見することも、その両方を含みながら、内と外の境界線がゆらいでいくような未来が浮かんでくる。
“当事者” “障害”というカテゴライズや、境界線がなくなればいい。
logueが目指す未来ともつながっていくような気がする。

このブランドメッセージをもとに映像作品をつくってみたい…

世界に溢れているのは
分かりやすく見えたり聞こえたりするもの。
それだけではなく
日常の中で見落としてしまいそうな音や景色の中にこそ
そのまちを構成する大切な要素があるはずだ。
目と耳を丁寧に使い、考えることで
向き合う人との関わりが柔らかくなるようなきっかけにしたい。

そんなことを考えながら
ワークショップの開催について
僕の尊敬するアーティスト 立石剛さんに依頼した。

剛さんとは、2019年に「さがみスクラム写真展のための音楽」というワークショップでコンビを組ませてもらって以来のコラボレーションになる。
さがみスクラム写真展は、「障害の有無によらない参加の場づくり」を目指し、精神障害のある方や福祉施設の職員を中心とした実行委員会が企画している。第一回のポスターデザインを担当したことをきっかけに、僕も毎回出展者として参加している。

2019年のワークショップでは、この写真展のBGMづくりを行った。写真にまつわる音や声を参加者同士で持ち寄り、語り合い、その場で奏でた音楽とミックスして、最終的に剛さんが丁寧にひとつの楽曲に仕上げてくれた。当日会場で流れる音楽は、写真展とそこに集う人たちに寄り添うものだった。

「景色をきいてみる 上野原」について
今回のワークショップは「音楽編」(9/30)と「映像編」(10/8)の2つで構成されている。持ち物は参加者のスマートフォンだけ。

DAY1「音楽編」では、まちの中を歩き、なんだか心が動く音を録音する。
さらに、身の回りのものを楽器にしてレコーディングする。
これに加え、上野原のシンボルになっている音も組み合わせる。
例えば神社のお祭りや夕方のチャイム…
「抽象の音」と「象徴の音」がどのように混ざり合うのか。

DAY2「映像編」では、剛さんの作品「emulsion lens」を使用する。
このアート作品は箱型のカメラになっており、レンズをのぞき込むと、特定の場所にピントが合わないゆらゆらとした優しい世界が映る。
参加者のスマートフォンを作品につなぎ合わせ、この箱を持ってみんなでまちを歩き、立ち止まり、なんだか心が動く景色を撮影する。

「音楽編」「映像編」それぞれで参加者が集めた素材は1つの映像作品になる。

人の息遣いや、虫の鳴き声や、言葉にならない言葉がまちをつくっている。
上野原に散りばめられた生活の粒に思いを馳せることで
まだ知らないだけの上野原を表現してみたい。

ワークショップの参加はこちらから

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