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ありふれたもん

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見過ごしていた ありふれたこと について書いてみます。
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#自由詩

朝日に当たる落ち葉

朝日に当たる落ち葉

赤、黄、緑
彩り豊かな秋の木立

木立の中の暗がりに
朝の光が斜めに射しこんでいる

スポットライトに照らされて
そこだけ空気が白みがかっている

そこを木の葉がハラハラと舞い落ちる

光の中にパッと色鮮やかに現れて
キラッ、キラッと朝日を反射して
スーッと暗がりへ沈んでいく

そんな木の葉に見惚れてた

おつとめバナナ

おつとめバナナ

こちらはスーパー
野菜コーナー
ご奉仕品のカゴの中
熟れに熟れた
おつとめバナナ

チャーミングだった
シュガースポットも
いつしかまだらな
満身創痍の
おつかれバナナ

家に帰っても誰もいない
独り者が買うには
ちょっと多い気がする
五本も一緒の
見切られバナナ

そんなバナナが
自分と重なり
なんだかほっとけず
手を出す僕に
拾われバナナ

その夜、ヤバそうな
一本選んで皮むくと
多少打ち身は

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夜道のキラリ

夜道のキラリ

駅からだいぶ歩いた
住宅街の外れ道
暗い夜道を独りで歩く

後にも先にも誰もいない
色褪せた黒いアスファルトの
硬い道をトボトボ歩く

今日一日を振り返りながら
街灯がポツリポツリと灯った
細い道をぼんやり歩く

と、その瞬間
少し先の暗い路面で
何かがキラリと光る
ハッとして足を止めたときには、
光は消えている

ゆっくり一歩下がってみると
そこでは光っているのが見える
ガラスの破片なのか
その

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