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「担会」に出席する:家族介護の記録

先月末日に祖母の「担会」に参加した。
家族の介護をしている人にはたまにある出来事で、その日は家での人の出入りが多くドタバタ忙しく、何となく落ち着かない。
今回のnoteは担会に出席した記録だ。

「担会」とは?

担会とはサービス担当者会議の略称で、「サ担」と略されることもあるらしい。
介護を受けている人のケアプランを作成したケアマネージャーや介護サービスに関わっている人が集まって、サービスを受けている人のための話をする会議だ。
この会議の主役は、ケアマネでもヘルパーでも家族でもなく、サービスを利用する人だ。

When: どのタイミングで行われるか?

● 介護サービスの内容の作成時・変更時
● 何らかのトラブルが発生した時

Where: どこで行われるか?

介護サービスを受けている本人が生活している場所
● 介護サービスを受けている本人の自宅
● 施設に入所している場合は施設

Who: 誰が参加するのか?

本人、利用しているサービスに携わっている人と家族
● 介護サービスを受けている本人
● ケアマネージャー(介護支援専門員)
● 訪問看護師
● ヘルパー、介護職員、リハビリスタッフ
● 福祉用具屋の担当者
● 家族

What: 何を話し合うのか?

当日に議題について話し合いをするのではなく、すでに話し合っていることの最終確認をする
● 介護サービスを受けている本人の最近状態
● 今後のサービスについての確認(日程・予定・準備物など)
● 家族の意向の確認
● 契約書の確認と署名・捺印

Why: 担会をする理由は?

マイナビ介護職の担会を説明しているページには以下のように書いてある。

サービス担当者会議とは、施設利用者によりよい介護サービスを提供すること・利用者が安心して日常生活を送ることを目的とした会議です

「サービス担当者会議とは? 目的・注意点・開催の流れを解説」

それもそうではあるが、究極はこの会議をしないと保険の適用にはならないことにポイントがあるようだった。また、この会議で契約書のサインをするため、署名捺印をしなければサービスは開始もできなければ変更もできない。

How: どのように担会は進むのか?

会議時間は30分〜1時間くらいだ。
● 開始時間に合わせて、参加者の皆さんが家もしくは施設の部屋にやってくる
● 自己紹介をする
● 介護を受けている人の最近の様子をそれぞれの担当者が話していく
● 新しいサービスに向けて必要なことを確認する
>> 薬の処方、起床就寝時間、食事方法、アレルギーの有無、毎日の過ごし方、福祉用具の変更が必要かどうか、どのくらい歩けるか・認知症の程度などの身体機能的なこと、同居家族の暮らしぶりetc.
● 新しいサービスの今後の予定・日程調整・時間の確認
● 終会 → 契約書への署名捺印

だいたいこんな感じだった。基本的には多分どこもこんな感じなんだと思われる。トラブルがあって会議をする場合とかは、改善点の確認とかをするんだろうし、寝たきりになりつつあるならベッドなどの福祉用具を適宜交換する必要があるからそれの話をするだろうし、という感じだ。


担会に参加した感想

春から地元を離れていたのだが、今回は農繁期帰省をしているところで、急遽参加することになった。

参加して良かった点

まず久しぶりに祖父母に会えたのは良かった。思った以上に元気だった。
今回の主役は祖母だったが、以前会った時は怒りっぽかったが、今回は穏やかだった(元気がないのか心配になるくらい)。

在宅看護・介護を利用しているため、いつも来てくれているヘルパーさんや訪問看護師さんの話を聞いて、祖母の様子もよくわかった。頻繁に来てくれているヘルパーさんには感謝だ。

福祉用具の方の話が個人的には良かった。
というのも、当たり前のことだが、サービスを受けている人の移動範囲や可動域が変わると必要な道具は変わる。寝る時間が増えればベッドを長時間寝ても体が痛くないマットにする必要があるし、杖で歩くか車椅子で歩くかでも違う。「何で福祉用具の方が参加するんだろう?」とは思ったが、とても必要な存在だった。

微妙な点

やはり、家にみんな集まらないといけないのが難点だ。
大きな家で大きな部屋の持ち主で、大きな駐車スペースを持っているなら問題はない。しかし、1時間弱の会議に5人くらいのスタッフさん達と本人と家族が参加するとなると、家はいっぱいになる。

今のご時世、リモートで会議もできるんだから、たとえば、本人と家族とケアマネ1人が家にいて、他の人はリモートで参加、とかそういうのになればいいのになと思った。でも、現状を把握するためには「実際に目で見なきゃ!」の部分はあるし、「リモートなんてできないよ」の人もいるから、全面リモートでみたいな提言はできなさそうだ。

おわりに

担会で家族の気になる点は、
「人が来るなら部屋の掃除をしなきゃいけない」
「人が来るならお茶の準備をしなきゃいけない」
とかそういうことがどうしても気になってしまうが、これに関しては心配ご無用だった。お茶はコロナ禍を経て準備しなくていいものになっていた。

担会は終わってからがスタートだった。
会議後は、祖母に「これは何曜日の何時だよ」と何度も何度も伝えて、次のサービスを受けるための新しい服などの買い物をして、準備物を揃えた。「家族介護は気苦労が多く、達成感もほとんどない」と言ったりもするが、その通りだなと思った。この気苦労の多い家族介護を誰か一人(例えば嫁ポジションの人)に全部やってもらうのは不健康な気がした。息子、娘、孫らがなるべく参加して分業体制を作ることがとりあえずできることだろうと思う。おわり。


【これまでの家族介護の記録】


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