他方を貶すことでこちらの優位性を語ろうとするのはもうやめよう。
いろんな考え方や感じ方があって当然だ。人は1人で生きているわけではないし、周りの環境に影響されながら刺激を受けながらこの世界を生きている。
これまで育ってきた周辺環境が異なれば、なにを「いい」とするのか「悪い」とするのかも変わってくる。
だから、いつも自分の中にある「はかり」だけではかりきることなんてできない。
そのはずなのに、どうしても、自分の「はかり」だけではかろうとする人は多い。
そして、他方を貶すことで、優位性を語る人もいる。
しかし、もうこれはやめてほしい。
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昨晩は同じカルチャースクールに通っている人たちと、クラスが終わった後に食事に行った。このメンバーだと中華料理に行くことが定番になっている。そのため、昨晩もスクールの近くの中華料理屋に行った。そこでのことだ。
料理をいろいろ頼んで、話をしながら待っていた。
そして、1人がレストランの接客について、
「中国人は店番をしていても適当だ。」
と。
中華料理屋でそんなことを言うのか、と、びっくりした。続けて、
「日本人にはそんなことはない。おもてなしの心がある。これは世界でも最高レベルだ。日本は最高だ。」
と。
私は、端的にこういうのが苦手だ。意味がわからない。
とっっっっても年上の方だが、思わずやんわり反論した。
<料理は来るし、仕事をさぼってるわけじゃないから別にいいじゃないですか。日本の接客が丁寧すぎるのかもしれませんよ> と。
すると、
「いやいや、日本人の接客の仕方が普通なんですよ。」「おもてなしの心ですよ」
と言われた。
その後は、諸外国の人々の気に入らない点をその人は語っていた。
「中国人は〜〜がダメですね。」「韓国人は〜〜で、アメリカ人は〜〜がダメですね。」「フランス人も〜〜ですね。」
と。
そして最後に、
「日本人は最高ですよ。」「日本が好きです」
と。
聞き流すことに心を決め、
熱々の小籠包を皿にとり、醤油と酢を小皿に合わせた。
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こういう語り方は飲みの席ではよく聞かれる。不快だし、気分も悪くなるし、理解もできない。だから、飲み会や居酒屋にしばらく近寄っていなかったことを思い出した。
日本の優位性を語りたいなら、日本のいいところをたくさん話せばいい。
「日本はここがいい、あそこがいい、こんなこともある、だから私は日本が好きだ。」
それだけでいい。
諸外国の人々を国ごとに一括りにして、
「〜〜人はーーがダメ」
というのでは、もはや日本の優位性なんて語れていないと私は感じる。
好きなものを語るのに、他のものを自分の「はかり」だけではかって、わざわざ貶す必要があるのだろうか。ない。絶対にない。
飲み会の席であっても、ポリコレは守るべきだ。その軽率な発言で傷つく人や不快になる人が思っている以上にたくさんいることをわかってほしい。
差別主義者やレイシストは嫌いだ。
中華は美味しかったが、なんだか悲しい夜だった。
他方を貶すことでこちらの優位性を語ろうとするのはもうやめよう。
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